職員室が「自由席」

今日は、クリスマス発表会リハーサル2日目です。昨日は、大ホールで広いステージに慣れ、今日は具体的な行動に目標を持ちます。今日の課題は「うたとダンスでは、最初から最後までずっと笑顔でいること」です。これは、大人でも難しいことですが、おジャ魔女どれみで、5歳女の子がずっと素敵な笑顔で踊り続けました。100点満点です。

 

さて、民間企業では、自分の机やイスを決めないで、スリースペースの中で、仕事をする会社が増えてきました。これによって、部署が違う人とのコミュニケーションが増えたり、書類が山積みのデスクが無くなったりと、効果が出ているので、どんどんこの流れが広がっているようです。テレワークが進んだことも後押しとなっていますね。

 

でも、学校の職員室は、机がびっしりと並んでいて、書類が机上に散乱しているイメージがありますね。そんな学校に、「自由席」の職員室が登場しました。神奈川県の中津第二小学校の職員室では、中央のテーブルでは教員らが児童について相談し、ソファの2人は秋祭りのアイデアを出し合っています。この小学校では、教頭先生と栄養教諭のデスクだけが固定されていて、その他は「自由席」になっているそうです。

 

中津第二小学校の職員室のスペースは、教室2つ分です。他の小学校もたいがい同じですね。数年前に教員が増員されることになったものの、全員分の机は入りません。校長から相談を受けた菊池統括教諭が、自費で参加したデンマーク視察のことを思い出します。

 

「気に入った場所に座ってくつろぐカフェのような雰囲気だった。年配の先生でも当たり前にタブレットを使い、定時にはさっと帰る。今までの自分の働き方は何だったのか、考えてしまった」と言います。そこで、民間企業の導入例も調べて、職員室の「自由席」(フリーアドレスと呼んでいます)を提案し、2020年度から職員室の半分で試行しました。

 

課題になったのは、大量の紙資料をどうするかです。自分の席がないと、資料の置き場が無くなってしまう・・・というので、紙の資料はスキャンしてデータ化します。これで、個々の資料ではなく、職員全員で情報共有する仕組みが出来上がったのです。

 

「資料を探す手間や印刷時間が減らせた」「相談しやすい雰囲気になった」ことから、2021年度からは、全面自由席に拡大したそうです。教材づくりに充てる時間を確保できるよう、時間割の見直しもしたところ、1か月の平均時間外労働時間が、18年度の59時間から21年度は27時間と半分以下になったそうです。

 

菊池さんは、不慣れな教員向けに「指定席」を用意して、会議資料は印刷して渡すなどの工夫も行っています。「机の配置には完成形はなく、誰もが働きやすく、先生同士のつながりがどんどん生まれる職場にしたい」と語ります。

 

民間企業も学校もコミュニケーションアップで仕事がレベルアップすることは、全く同じですね。自分の席(固定概念)から離れ、コミュニケーションが増えると、チャレンジする前向きな意識が生まれます。是非とも、学校での「職員室の自由席」が広がってもらいたいですね。