アリヅカコオロギ

子どもたちを連れて、大宮氷川神社から大宮公園へ散策しました。紅葉がとてもきれいで、小1女子は、もみじの赤い落ち葉を集めていました。小動物園があるのですが、私のお気に入りは「ハイエナ」です。他の動物が捕えた獲物を横取りする、ずる賢い動物と思われていますが、あごの力が強く、シマウマの骨までかみ砕くそうです。静かに歩く姿に恐怖を覚えます。

 

さて、昆虫の世界にも、ずる賢い生き物がいます。今日は、「アリヅカコオロギ」の話です。冬に入り、昆虫に出合う機会が減りましたが、公園の道端に転がっている朽ち木をひっくり返すと、そこにはアリがビックリしてうろうろしていることが多いです。

 

そのアリの群れの中に、コオロギが混ざっていることがあります。秋に鳴くコオロギとは違って、アリよりは少し大きいくらいで、色は薄い茶色です。羽は退化してありません。アリの群れの中で、同居しているようです。これが、アリヅカコオロギです。普通なら、アリに食べられてしまうところです。

 

アリは、土の中など、暗いところで生活していますが、仲間を見分けるのに、においで区別しているそうです。このアリヅカコオロギは、アリのにおいを自分の体につけることで、アリになりすましているのです。働き者のアリさんたちが集めた、食べ物をちゃっかり食べているそうです。それだけではありません。お世話になっているアリさんの幼虫も時々食べるようです。

 

本来なら、アリから集団で命を狙われる環境に、アリヅカコオロギは紙一重で暮らしているのです。だまし討ちも、ここまでくれば、お見事としかいいようがありませんね。

 

冬の生き物観察で、子どもと一緒に、是非とも「アリヅカコオロギ」を見つけてください。うんちくも忘れずに・・・(笑)