Wi-Fiが飛ぶ森で授業

先日、駅弁の「峠の釜めし」を食べました。ちゃんと陶器の容器に入ったタイプです。駅弁として、荻野屋の峠の釜めしは、いろいろな場所に販路を広げていますが、最近では軽い紙パックが主流です。でもやっぱり、陶器の容器に入っていないと、雰囲気が味わえないと思ってしまう昭和おやじが私です。

 

もちろん容器は捨てませんよ。3つあった容器は、保育園屋上の砂場で大活躍です。ずっしりと重い感覚は、子どもたちにはリアルに伝わったようで、砂を入れてご飯に見立て、その上に、花や葉をちりばめて、オリジナル釜めしの完成です。本物の峠の釜めしには、別添えの漬物パックが付いています。そして、私の一番のお気に入りは、最後に食べる「あんず」です。釜めしにあんずが入っているのは、峠の釜めしだけです。(たぶん)

 

さて、今日は、長野県伊那市にある伊那西小学校の話です。全校児童が60人にも満たない小さな小学校ですが、全国から注目を集めています。なぜかというと、「森の学校」として、児童は日常的に学校林の中で過ごし、様々な学びに生かしているからです。

 

1年生から3年生の児童は、1人1本「マイツリー」を決めて、その木の定期観測をしています。5年生は野イチゴなどの木の実を収穫し、ジャムを80個作りました。駅前のマルシェでは1時間で完売だそうです。春にはタケノコ掘りもします。学校の目の前の林なので、ちょうどいいタイミングで収穫できるそうです。

 

伊那西小学校は、森を単なる「自然体験の場」で終わらせません。「森はぼくらの教室だ」というスローガンの下、様々な教科活動に生かしています。理科の授業では、例年3~4年生がイチョウの観察に動物や昆虫観察をし、実際に物を燃やすこともします。冬には、子どもたちだけで焼き芋を楽しむそうです。

 

森の中には「森の教室」が整備されています。学校林から伐採した木材を使用した屋根付きの野外学習施設で、地元企業の職人が中心となり、保護者や児童も手伝って完成させたそうです。そこは、Wi-Fiが飛ぶ環境だそうで、大型スクリーンがあり、ネット環境も抜群です。子どもたちはタブレットを手にし、自然と機能性が共にそろっている環境です。

 

もう一つ、一番大事なことがあります。各学年の人数は、わずか10人足らずなので、活動は異年齢で行われることが多いそうです。森の生活では、経験豊かな上級生から下級生が学ぶ姿が、容易に想像できますね。地域の大人もかかわるので、子どもたちは、先生以外の大人からも学ぶことが多いのです。

 

どうですか・・・これからの学びのキーワードは「異年齢での学び合い」ですね。