育てたヒラメ 食べる?

クリスマス発表会の練習を毎日していると、もう金曜日…といった感じで、一週間が過ぎるのが早いですね。もちろん、子どもたちは、歌もダンスも楽器も劇もグングン上達しています。

 

さて、10年以上前の2008年の映画で「ブタがいた教室」を覚えていますか。小学校で、ブタを飼育し、最後にこのブタを食べるかどうかを子どもたちで決めるという内容です。この映画は「豚のPちゃんと32人の小学生 命の授業900日」という実話をもとに映画化されました。映画では、結論を出さないままで終わったのでモヤモヤした感じでしたが、実話では、「命をいただく」が答えです。

 

埼玉県春日部市の豊野小学校の5年生は、今年度ヒラメの養殖に取り組んでいるそうです。専門家の指導を受けながら生き物を飼育し、命の大切さや食べることの意味などを学ぶ「いのちの授業」です。「これから皆にヒラメの命を預けます。赤ちゃんを育てるのと同じですよ」からスタートです。

 

子どもたちがヒラメについて学び始めたのは今年の7月です。9月末には水槽やろ過の仕組みの授業を受けます。こうして、10匹の稚魚を受け入れました。子どもたちの仕事は、きちんと観察記録をつけることです。「3匹がジャンプするようになった」「すばやくて水槽から飛び出しそうでちょこっとこわい」といった感じです。

 

来年3月までには、育ててきたヒラメをどうするか、つまり「食べるのか、食べないのか」を子どもたちで話し合うそうです。子どもたちは、育てているヒラメを識別できるようになり、養殖なので食べることは理解するものの、ますます愛着を感じてきているようです。

 

担当教諭は「子どもたちの意見がぶつかり合えばいいと考えている。議論の行方を見守っていきたい」と話します。

 

子どもたちの受け止め方は、色々でしょうが、私たち人間は食べないと生きていけないのが現実です。食べることは他の動物や植物から命をもらうこと。葛藤しつつ感謝する気持ちを私たち大人は「食育」という言葉で教えるのです。難しいですが、大切なことですね。