持続可能なPTA

屋上の砂場のまわりが、子どもたちの背よりも高いススキが伸びています。そこを「秘密基地」にして、子どもたちは、まわりから見えない隠れ家で遊んでいます。いつの時代も、子どもたちは「秘密基地」が大好きです。

 

さて、土曜日に子どもたちを連れて遊びに行った「さいたま市立宮前小学校」のフェステイバルでは、PTAとおやじの会が、子どもたちのために頑張っている姿が、とてもよく伝わってきました。しかし、PTA活動は、このコロナでの3年間の活動を経験して、大きな岐路に立たされています。コロナを機に、縮小や活動休止といった声が全国的に上がっているようです。

 

岐阜県の大野町立西小学校は、100年以上の歴史がある小学校ですが、児童数は、10年前の3/4まで減ったそうです。当然、PTA会員の人数も減少傾向が続き、本部役員の選出が難しくなっていました。そこで、PTAの目標を整理しました。現状に応じた活動にしようと、子どもたちがどのように成長してほしいかを考え、3つのテーマを掲げることにしました。1自己肯定感を持つ子 2周りの人とより良く関われる子 3健全な生活習慣を確立した子・・・となれるよう、PTAの目的を明確にしたのです。

 

その上で、「本当に、この活動は、目指す子どもたちの姿につながっているのか」と問い、活動を見直したのです。その1つがリサイクル品の回収です。年に2回、すべての世帯を対象に行っていましたが、代わって、児童が主体となるリサイクル活動を考えることになったそうです。総合的な活動の時間と関連させて、PTAが学習を支援する取り組みを模索しているそうです。ベルマークの回収も手間と時間がかかる作業だったので、ウェブベルマーク活動に切り替えました。その他には、休みの期間中に各家庭で、児童が頑張った姿を書き記す事業を行い、児童の自己肯定感の向上を目指したそうです。

 

数々の教育関係の本を出版している、熊本大学の苫野(とまの)准教授は、「PTAが活性化しなくなっているときは、かつての慣例を嫌々やっているいとき。そもそも、何のためにと考えるだけでも変わっていく」と言います。まさに、西小学校の活動と同じですね。

 

さいたま市立宮前小学校のフェステイバルは、子どもたちの笑顔がたくさん見られました。PTAが取り組むべき、意義ある活動だったと言えます。私が、10年以上前にPTA活動をしていたころは、まだまだ、「今までやってきたから」の仕事が多かったですね。でも、熱い保護者が頑張って継続していました。しかし、時代が変わり、PTAの活動意義もそれぞれの学校で話し合う時が来たのです。

 

私がやりたかったことの一つは、「いろんなお仕事の話を聞いてみよう!」です。様々な仕事をする父親や母親が、子どもたちにお仕事の話をしてもらうイメージです。残念ながら、実現できませんでしたが、こんな、子どもたちが学校の授業以外で学ぶ大事なことをPTAが一肌脱いで、学校と先生たちと協力して作り上げていくことが、これからの持続可能なPTAの役割と思っています。