働かないアリの価値は?

昨日、我が家に子猫がやってきました。近くのスーパーマーケットの駐車場で保護された赤ちゃん猫です。我が家は、すでに猫を一匹飼っていますが、子猫が家に慣れるまでは、嫁に行った長女の部屋で過ごします。2匹の対面は、もう少し後にします。こうして2匹目の里親になったのです。子猫なので、それは可愛いですね。家を立た娘2人も、猫を見るために帰ってきました。

 

さて、知る人ぞ知る話で、働きアリの中には、鈍くて仕事に気がつかない、いわゆる働かない働きアリがいます。それも全体の2割の数だそうです。子どもの頃に読んだ「アリとキリギリス」では、アリは働き者として描かれていますが、そうでもないようです。(笑)

 

アリ組織としては、効率が悪いんじゃないの?と思いますが、専門家の研究によると、働かないアリがいるほうが、その集団が長続きするそうです。一斉に働くと、短期的には仕事の効率はいいものの、やがて皆が疲れて働けなくなるようで、卵の世話など24時間勤務の仕事が滞ってしまうのです。働かないアリがいれば、疲れて休んでいるアリに代わって働くというわけです。まるで人間の組織と同じですね。「目先の効率だけを追い求めすぎると、その集団は早く滅ぶ」ということかもしれません。

 

この無駄だと思えるものは、自然界の様々な生き物の共存に一役買っているようです。

例えば、きらびやかな羽を持つオスのクジャク・・・美しい羽根は、メスに選ばれて子孫を残しやすくする半面、目立ちすぎて天敵に狙われやすいなどのデメリットにもなります。鳥たちがさえずる歌や求婚ダンス、オスのシカの角なども、種の繁栄にとっては無駄な機能だといいます。ただし、特定の種がはびこることなく「無駄の進化が生物多様性を支えている」となるようです。

 

この考えを私たちの人間生活に当てはめると、本で例えるとします。四隅の余白は情報をできるだけ多く伝えるには無駄なものです。しかし、余白には書き込みができますね。本を読みやすくして、知的活動を助けるためには、四隅の余白は必要なのです。

 

どうも、こう考えると、私たちはふだん7割くらいの余裕をもって仕事をして、いざという緊急事態に100%を出せるように、ゆとりを持っていたほうが強い。ということでしょうか。

 

う~ん・・・昭和世代の私は、やっぱり、毎日「全力で生きている」人が、かっこよく見えるのですが・・・(笑)