やっぱり鉄道が好き③~都営荒川線~

今日は、現役で頑張っている路線です。日本各地に、路面電車がまだ残っています。広島や熊本、松山、富山などは、幹線道路の中を堂々と走っていて、路面電車と車が、まさに共存している街です。

 

東京にもかつては、40もの路線がありました。私が4歳頃の記憶ですが、祖父が中央区の佃島に住んでいて、そこから、路面電車、子どもの頃でしたのでチンチン電車と呼んでいましたが、亀戸天神まで、お参りがてら「船橋屋のくず餅」を食べに連れて行ってもらうのが楽しみでした。

 

そんな東京の路面電車も次々と廃線となり、今はただ一つ、「都営荒川線」だけが残っているのです。現在は、「東京さくらトラム」というカッコイイ名前で親しまれています。

 

三ノ輪橋から早稲田までの12.2キロメートルを約53分かけて走ります。路面電車ですので、駅の数が多く30駅もあります。計算すると、ひと駅間の平均距離は420メートルしかありません。歩いても6分くらいです。

 

始発の三ノ輪橋駅には、昔ながらの昭和レトロのアーケードが400メートルも続く商店街があります。町屋駅前・王子駅前・大塚駅前を通り、池袋のサンシャイン60の裏手を走り、早稲田に到着します。

 

JR王子駅との乗り換え駅にもかかわらず、王子と名乗るのではなく「王子駅前」と名乗るのが何とも控えめなところです。荒川区、北区といった東京の下町をゆっくりと時間をかけて走ります。途中踏切はあるのですが、幹線道路を通過する時は、道路の信号に従います。赤信号なら、車と一緒に路面電車も停車するのです。王子駅前から飛鳥山までの区間は、まさに道路の中に線路があって、一両編成の路面電車のすぐ後ろに、乗用車が走っているのです。

 

関東に住む人や東京都民にとっても、「三ノ輪橋」ってどこにあるの?「早稲田」は、大学の名前は有名だけど、どこ?といった感じです。都営荒川線の早稲田駅は、地下鉄東西線の早稲田駅とかなり離れています。また、三ノ輪橋駅も、地下鉄日比谷線の三ノ輪駅からかなり歩きます。

 

そんな、昭和の下町風情を感じる「都営荒川線」に、一度いかがですか。駅から電車が出発する時には、運転手さんが「チンチン」という鐘を鳴らします。まさに、チンチン電車ですね。(チンチン電車は、今や死語ですが・・・)