本の魅力を伝え合う

今日の寺子屋は「妖怪の話」です。「河童」「あかなめ」「座敷童」「ぬらりひょん」「ろくろ首」「火車(かしゃ)」「唐傘お化け」「豆腐小僧」「骨女」「酒呑童子(しゅてんどうじ)」などの妖怪を登場させます。「怖いけど・・・もっと知りたい」子どもたちは、ぐいぐい話に入ってきます。「サンタクロースはいつまで信じる?」とよく言われますが、妖怪だって、子どもたちは、しっかりと信じています。

 

さて、今日は「本」の話です。最近では、有名人が自分で読んで感銘を受けた作品が紹介されると、またたくまに、その作品の売上がアップするという現象があるようです。「アイドルセラー」と言われます。例えば、BTSがアルバム制作に、ヘルマン・ヘッセの「デミアン」にインスピレーションを受けたと言うと、ファンが、今まで読んだことがない、ヘルマン・ヘッセを読むのです。「なんだよ~」と思うかもしれませんが、出版業界にとっては、特需のようなもので、大歓迎です。

 

しかし、本当の本の魅力を子どもたち同士で紹介し合う、書評合戦を「ビブリオバトル」と言います。先日、南関東の小学校5、6年生15人が参加した、ビブリオバトルが、「丸善&ジュンク堂書店渋谷店」で行われました。

 

子どもたちは、ワークシートを使い、持参した本のあらましや好きなところとその理由、お薦めポイントなどを項目別に書き出して整理します。強調したいことを考えて構成を練り、キッチンタイマーで時間を計りながら練習した後、3分間のビブリオバトル形式で、実際に発表しました。

 

参加した児童は「それぞれの本の良さをみんなが一生懸命伝えてくれて、とても面白かった。もっとたくさん本を読みたくなりました」と笑顔で話します。

 

子どもたちが、本を好きになるきっかけは、色々あるでしょう。「アイドルセラー」も否定しませんが、ビブリオバトルが、小中学生の授業の中で行われることで、図書館の活用率がアップして、本好きの子どもが増えるとうれしいですね。