今日は8月6日・・・広島「原爆の日」です。朝の会では、小学生が4人いたので、原爆について話しました。「今から77年前の今日なので、園長先生も君たちのおじいちゃんおばあちゃんも生まれていません」と語り、原爆のきのこ雲、原爆ドーム付近の焼け野原、川に重なる人々の3枚の写真を見せます。3枚目は、子どもたちにとっては衝撃の写真です。
子どもたちは、現在戦争が起きていることを知っています。しかし、日本も77年前にアメリカと戦争をして、世界で初めて「原子爆弾」という多くの人が死んでしまう爆弾が広島に落とされたことを話します。「シーン」と聞き入る子どもたち。
「戦争をすれば、たくさんの人たちが死んでしまう。絶対に、やってはいけないことだと分かっているのに、どうして、今も戦争がなくならないんだろう?」と問いかけます。もちろん、答えはすぐには出ませんが、子どもたちは考えます。今日は、考えることが大切なのです。
さて、埼玉県所沢市の向陽中学校での取り組みです。令和2年度から、生徒の「思考力」「判断力」「表現力」をどうすれば伸ばすことができるか・・・各教員が、議論し、試行錯誤を重ね、授業や生徒へのアプローチを見直してきました。
例えば、生徒の評価基準にしてきた、「板書をきちんと写しているかどうかのノート指導」「ワークの提出」を取りやめます。生徒が、粘り強く、自ら学習を調整しようとする側面をどうやって伸ばしていくかを考えます。
そこで、月2回、「朝鑑賞」を導入したのです。武蔵野美術大学の協力を得て、同大の芸術作品などを、1人1台端末を活用し、鑑賞する時間。10分間で考え、その考えを発表するというものです。
生徒からは「何でも人に合わせがちなこの国で、合わせなくていい時間があるのは大きい」「個性が認められる時間だと思っている」という感想が聞かれます。
また、朝鑑賞は教員にも効果的だと校長は言います。「沈黙を嫌う教員が多いように感じる。しかし、子どもたちが考えるのには時間が必要。考える時間の沈黙を許容することが求められる。また、物事を考えるには習慣化が必要で、月2回の頻度でも十分効果を感じている。教員に求められる能力は『聞く力』ではないか。教員はもともと話す力を持っている。そこに聞く力を身につければ、さらに心強い存在になる」と話します。
まだ、始まったばかりの「朝鑑賞」ですが、生徒たちは「先生は意見を聞いてくれる」と感じ、自分の意見を言うことに慣れてきているようです。
「自分で考えて自分で答えが出せる人になる」のアプローチは、たくさんあるのでしょうが、向陽中学校の「朝鑑賞」も有効な取り組みですね。