ホタルの話

昨夜のナイトツアーが中止になってしまいましたので、今日は、園長がガイドで話す予定だった、ホタルうんちく話をお楽しみください。

 

ナイトツアーの場所。埼玉県の北本自然観察公園には、平家ボタルが飛びかっています。7/11月曜日に、実は下見に行ってきました。曇りでやや風がある天気で、ちょうどホタルが一番光り輝く時間である20時頃、暗闇を歩いていました。飛んでいたホタルは、ざっと200匹はありました。イルミネーションまではいきませんが、乱舞するホタルの光に感動です。ホタルは、オスもメスも光りますが、一番輝くのが夜の8時頃で、その後、深夜0時頃と明け方4時頃に大きく輝くそうです。理由はわかっていません。

 

日本で見られるホタルは、数十種類ありますが、主に「源氏ボタル」と「平家ボタル」です。源氏ボタルは、5月中旬~6月にかけて光を放ちます。平家ボタルは6月から7月にかけて約1か月遅れで飛び交います。源氏ボタルの方が、強い光を放ちます。今から千年前に紫式部の世界初の恋愛小説・・・主人公、超モテ男「光源氏」の名前から、源氏ボタルという名前がついたというのが定説です。平家ボタルは、源氏に負けた平家で、光が弱いから名前がついたともいわれています。

 

ちなみに、源氏物語の「光源氏」は、源頼朝や義経とも全く関係がありません。主人公の名前(家)が「源氏」というだけです。ましてや、ローラースケートのアイドル「光GENJI」とは全く関係がありません。(失礼!)

 

平家ボタルの光は、源氏ボタルよりも弱いとはいいながらも、ほのかな明るさは、「わびさび」の世界のようです。

 

成虫のホタルの寿命は、およそオスが1週間・メスが2週間だそうです。この短い間に、子孫を残すべく、オスは光り輝きメスにアピールするのです。卵からかえった幼虫は、カワニナという巻貝をエサにします。平家ボタルが生息していた田んぼが、農薬を多く使うようになり、カワニナが少なくなったせいでホタルが見られなくなったのです。幼虫からサナギになり1年かけて成虫になります。実は、幼虫・サナギ時代もほのかに光るそうです。

 

「♬ほっ ほっ ほたるこい こっちの水はあまいぞ!あっちの水はにがいぞ!♪」という歌をご存じですね。ホタルは成虫になると、エサを食べることはなく、水しか飲まないそうです。何も食べずに子孫を残すのです。

 

話は変わりますが、関東では、マクドナルドのことを「マック」と言いますが、関西では「マクド」と言います。私は、関東風はカッコつけのように聞こえるので、あえて関西風の「マクド」と呼んで家族からはひんしゅくを買っています。(笑)

 

ホタルの世界は、行動範囲がとても狭く、せいぜい隣の小川に移動するくらいだそうです。よって、東日本と西日本のホタルが交わることがないそうです。実は、東西のホタルで、光の点滅時間に違いがあるそうです。東日本は4秒に1回・西日本は2秒に1回光りを点滅させます。大阪駅を歩くビジネスマンの歩く速度が日本一と言われていますが、ホタルも関西の方がせっかちのようです。

 

では、目を閉じて、ホタルが飛び交うシーンを想像してください。このうんちく(あまり役に立ちませんが・・・)をもって、家族でホタルを見に行くのもいいですね。まだ、間に合います。