突然ですが、心臓はどんな働きをしているかご存じですか。はい、自分の左胸に手を添えて考えてください。バクバクさせながら、血液を全身に送り込む仕事をしていますね。激しい運動をすると、全身の酸素量がさらに必要となり、さらに心拍数がアップします。
さらに詳しく説明しますと、心臓は、4つの部屋に区切られています。全身を巡ってきた血液は、まず右心房に入り、ついで右心室に送り込まれます。心室の筋肉は分厚くて強力に収縮して血液を送り出します。右心室から出た血液は、肺動脈をへて肺に達します。
肺で血液は酸素を受け取り、二酸化炭素を放出します。私たちの呼吸は、深く空気を吸い込んで酸素を吸収し、二酸化炭素を放出していますね。肺から肺静脈を通った血液は、心臓の4つの部屋の一つ、左心房に戻ります。これが、体の中で一番酸素が豊富で、新鮮な赤い血液なのです。そこから左心室に入ると、力強い鼓動により大動脈から全身に送り出されるのです。
さて、今日はここからが本題です。「おなかにいる赤ちゃんの心臓はどうなっているのでしょうか?」
胎児の心臓も拍動していますが、酸素と栄養はすべてお母さんから供給されています。胎盤とへその緒を通じて赤ちゃんの血管に入り、二酸化炭素と老廃物は胎盤を経て、またお母さんの血液に戻されます。
胎児は羊水の中にいるので、肺はまだ機能せず、肺に血液を送る必要がないので、小さく折りたたまれているそうです。赤ちゃんの心臓にはバイパス経路があって、全身から戻ってきた血液は、右心房に入るとバイパスを抜けて直接左心房に送られて、そのまま左心室から大動脈に送り込まれるのです。つまり、肺を経由しないでバイパスを血液が通っているのです。
そして、生まれた赤ちゃんは「おぎゃーおぎゃー」と元気な産声を上げます。これで、肺呼吸がスイッチオンとなるのです。赤ちゃんは、産声とともに、空気を肺いっぱいに吸い込みます。すると、不思議なことに心臓にあったバイパスが閉じ、胎盤につながっていた血液経路も閉じるのです。
こうして、赤ちゃんは自分自身の血液循環を完成させるのです。まさに、生命の不思議ですね。保育園には、現在お腹の中に赤ちゃんがいるママがいます。人の体には不思議がいっぱいですが、お腹の中の赤ちゃんの不思議を感じることにします。