「顧問拒否」の代償

昨日は、真夏の暑さとなり、「今シーズンおうちで初めてのプール」という園児が何人かいました。まだ、体が夏モードになっていないので、子どもたちが熱中症にならないように、今日の屋上遊びでも、水遊びがセットです。そして、ヘチマの種をまきました。子どもたちは、ヘチマが育ったら、「ヘチマダワシ」作りに挑戦です。

 

さて、多くの中学高校では、生徒は部活動への参加が、教員は顧問となることが当たり前とされてきました。しかし、部活動は、本来は強制するべきものではなく、最近は顧問を要請された際に、断る教員が現れるようになりました。

 

しかし、「顧問拒否」の代償があるようです。

 

部活動大好きの他の部の顧問から「練習時間が短すぎる」「顧問が二人いるなら交代ではなくて二人とも毎日部活を見ろ!」休日に部活を休みにすれば「どこで何をしていたのか」と聞かれる。

 

バレーボール部の主顧問を押し付けられた教員は、公式試合で審判をするように求められます。バレーボールの経験がなく、急いでルールブックに目を通したものの、何しろ経験がないので、試合でミスジャッジを繰り返します。そのたびに生徒たちからブーイングを浴び、他校の顧問たちからも、露骨に嫌な顔をされる。

 

任意であるはずの部活動に打ち込まない教員は、こうして、他の教員から「いじめられる」のです。その要因は、「現場で力を持つ50代前後の先生たちは『若い頃に部活動で生徒を指導してきた』という強い自負があり、若い教員が部活動をやらないことを許しがたく感じる」と指摘する教育関係者もいます。

 

「顧問をやらないなら教員採用試験の段階で明らかにすべきだ。卑怯だ」「部活動は教員たちの善意や無償労働で成り立っている。『やりたくない』と言い出せば、まわらなくなる」と、顧問拒否の代償は、周りの教員からのプレッシャーという形でも、重くのしかかります。

 

保護者も「顧問拒否が広がって、子どもが所属する部が廃部になるのは困る」という意見が多いのも事実です。しかし、多くの保護者は、「教員たちの部活動の指導はほぼ無給で、土日でも1日2700円しか手当をもらえていない」という実態を知れば、考え方も変わりますね。

 

今後、部活動は、顧問がすべて担うのではなく、外部指導者を活用する方向で進んでいます。ただし、その費用をどう確保するか、検討する必要があります。行政が、100%支給を約束しているわけではなく、保護者負担もあるからです。

 

ただし、これからの部活動は、経験がないのに無理やり運動部の顧問をさせられるような実態は、少なくなっていくことでしょう。民間をどう活用するか・・・そして、子どもたちの「楽しみ」「やりがい」「成長」にどうつなげていくか。今まさに、日本の学校の部活動のあり方が問われています。