子どもの「決める力」を育てる

今日の寺子屋は、「廃材工作」です。新人寺子屋3番園児たちは、初めての工作です。牛乳パックを使った「カエル」を作ります。カエルの顔をかく⇒カットした牛乳パックにのり付け・・・までを行います。来週、ゴムをつけて、ピョンピョン跳ねるカエルの完成です。先生の話をしっかり聴いて、オリジナルのカエルができあがりそうです。子どもたちの満足した顔が印象的です。

 

さて、今日は、子どもの「決める力」を育てるにはどうすればいいのか。とても大事な話です。これは、親の話し方が大きく関わってきます。

 

ある小学校5年の男の子は、自分から積極的に発信することが苦手でした。引っ込み思案でクラスでも目立たず、運動会や発表会などの行事にも消極的です。しかし、家庭は教育熱心で、複数の習いごとに忙しく通っていました。担任は「自分の言いたいことを、言えているだろうか?」と心配します。そこで、母親との面談で学校での男の子の様子を伝え、こう切り出したのです。

 

「お母さんの考えや思いを伝える時は、どんなに小さなことでも必ず最後に、『あなたはどう思う?』と聞いてあげてくれませんか。なるべく彼の意思を尊重してあげてください。それできっと変わるはずです」

 

何事にも遠慮がちなのは、気質だから仕方ない。と思っていた母親は、半信半疑で、その日から実践してみることにしたのです。「今日の晩御飯、肉じゃがにしようと思うんだけど、あなたはどう思う?」すると、男児の表情が一変したのです。

 

「あんなに驚いた息子の顔を見るのは久しぶりでした。その時に気づいたんです。あの子の意見を聞くなんて、もう何年もしていなかったなあって」

 

2か月経つと、大きな変化が表れます。習いごとは「ためになるから」と母親が選んだものだったのですが、「水泳はもっとやりたいけど、ダンスと英語はやめたい」と自ら申し出たのです。学校での生活態度も変わりました。授業中に発言するようになり、運動会の応援団に立候補したそうです。

 

どうですか・・・子どもに「どう思う?」という一言、言ってますか?この母親の言葉が「指示」ではなく、「提案」に変わったのです。『あなたが決めていいんだよ』というメッセージとして子どもに伝わったのです。

 

保育園ホワイトきゃんばすの中で、一番自己主張をしっかりと言える5歳女の子の母親は、我が子に対して「○○はどう思う?」とよく言っています。また、子どもに関わることで、何かを決める時には、親だけで決めるのではなく、子どもに「どう思う?」と必ず確認しています。1・2歳児で「どう思う?」と聞いても、まだどうするかわからないですが、この5歳女の子は「決める力」を持っているのです。

 

最後に1つ大事なルールがあります。子どもが自分で決めたことに対して、途中でやめると言ってきた場合、「自分で決めたんだから、最後までやりなさい」と強要しないことです。「やめる」というのも、自分で決めたことです。やめる理由だけ聞けばいいのです。

 

私たち大人が一番よく知っていますが、子どもたちが、やがて大人になり社会に出た場合に、いくら勉強ができて知識が豊富でも「自分で決める」ことができない人は、まわりから認められませんね。

 

もうやっている親は継続してください。子どもの意見を聞かないで決めてしまう癖のある親は、「あなたはどう思う?」のたった一言を今日から付け加えてください。