見上げれば通天閣

今日は、今年度最後の体操教室です。年長園児にとっては、保育園生活最後の体操教室です。3年間の体操教室の中で、逆上がりができるようになった!飛び箱だって3段まで飛べるぞ!ブリッジは完璧だよ!・・・まだまだ、できるようになったことがたくさんあります。すべて、子どもたちの自信につながりました。体を動かしながら、自己肯定感も高めることができた体操教室だったと思っています。年長園児たちは、大きな声で「○○先生。ありがとうございました」と、心を込めてあいさつができました。

 

さて、今日は、子どものためにできることを考える教師を主人公として描いた「見上げれば通天閣」というマンガの話です。

 

主人公は関西の小学校で3年生の担任をする教員。背が高く、子どもたちからは「通天閣」と呼ばれ親しまれています。一方で、学校組織の中では、規律に従わない教師として上司から疎まれていました。この作品は、中心的なテーマとして「差別」という人権の根幹にかかわる問題を扱います。

 

クラスの問題児として扱われる、政二は自分の気持ちがうまく伝えられず、クラスで孤立し、毎日校舎の屋上で一人絵を描いています。教頭は、通天閣に何とかしろと伝えますが、通天閣は何も言わず、ただ一緒に屋上で時を過ごします。

 

ある時、教頭が政二に「学校で生活する以上、規律を守る必要があり、政二だけ特別扱いはできない!」と告げると、政二は「先生の方が差別やんかっ!」「ボクのこと問題児言うたやないかっ!」と涙ながらに叫びます。そんな政二の姿を見た通天閣は、教頭に反発し、政二を守ろうとするのです。

 

この作品で登場する教頭先生は、特別な人ではなく、日本の小学校の多くの教頭が同じような行動をとることでしょう。政二に限らず、やがて、大人になって社会に出てことを考えると、規律性は大事だと考える教師も決して間違いではありませんね。

 

ただし、通天閣は、子どもと教師、保護者が一体となって、「子どもにとって何が一番大切なのか」を考えようと奮闘します。子ども一人一人に対して、やり方はそれぞれです。しかし、それでも、丁寧に子どもたちに向き合う姿は、共感を覚えます。

 

いよいよ、明日は、保育園の卒園式です。5人の卒園児が、小学校で出会う担任は、どんな先生になるのか・・・いや、どんな先生になっても、楽しいことも、思い通りにならないこともたくさん経験して、前向きな学校生活を送ってもらいましょう。