「させていただく」の使い方

昨夜からの大雨の影響で、屋上のどろんこ広場は、沼のようになってしまいました。子どもたちにとっては、こんなに楽しいことはありません。3歳男の子は、どろんこ遊びをしたかのように全身泥だらけです。パンツもすべてお着がえです。(笑)

 

さて、今日は、正しい敬語なのか、それとも違和感があると感じるか・・・「させていただく」という表現について考えます。みなさん、よく使っていませんか。私も敬語としては違和感があるなぁ~と思いながらも、「本日司会をさせていただきます」など、無意識のうちに使ってしまいます。

 

有名人の挨拶文や、駅のポスターまで、現在、「させていただく」の使用が爆発的に増えているそうです。多くの人が、何のためらいもなく日常生活の中で使っているのです。

 

伝統的な敬語は、尊敬語や謙譲語など、上下関係を表すものが主流だったのですが、戦後の日本では、人間関係のポイントが次第にタテからヨコへと変化しました。こうなると、相手は上でも下でもないので、その関係性は、各自で判断し、敬語の使い方が難しくなってきたのです。

 

世の中が、ヨコの関係になっていくと、「くださる」「いただく」などが、旧来とは別のタイプの敬語的な表現として使われ、今や「させていただく」という、敬意がてんこ盛りのフレーズが使われるようになったのです。「させていただく」の増加は、1990年代から始まったと言われています。

 

敬語に含まれている敬意は、使われていくうちにすり減っていくそうです。例えば、江戸時代の「貴様」は、目上の人への呼称でしたが、今では、相手をののしる時に使われる言葉です。「させていただく」も、それまで使われていた言い方が使いにくくなったことから、生まれた表現なのです。そして、今や「させていただく」は、相手への敬意(謙譲語)から、自分の丁寧さを示す敬語(丁重語)へと変容していると言われています。

 

う~ん・・・「させていただく」は、あんまり使いたくないけど、他に良い言葉が見つからない感じですね。言葉というものは、時代と使う人の言語意識に合わせて変化する「生き物」なのかもしれませんね。

 

結局「させていただく」を使って良いのか悪いのか・・・結論は出ません。(笑)