令和5年度「ラン活」スタート!

先日、年中の女の子が、新作ランドセルの内見会に行ってきたそうです。令和5年度の就学児童が対象です。まだ1年先のことですが、早くも「ラン活」は、過熱しているようです。この4月に入学する2021年のランドセル市場規模は、558億円だそうです。10年前の2011年の約1.4倍になっています。しかし、この間、小学1年生になる子供の数は、9万人も減っています。少子化なのに、市場規模が膨らんでいるのは不思議ですね。

 

はい。簡単なからくりですね。ランドセルの単価がアップしているからです。「客数」ダウンでも「客単価」が大幅アップという計算です。少子化で、親や祖父母が子ども一人にかけられる金額が増えているからです。もう一つの理由は「タイガーマスク運動」です。2010年くらいから、児童養護施設などにランドセルを贈る動きです。今では、ランドセル工業会の加盟社もランドセルを寄付する活動を続けているそうです。

 

今日は、ここまでのランドセルの歴史を振り返ります。

 

ランドセルは、日本独自の製品で、歴史は古く、初めて学校が採用したのは学習院だそうです。1885年(明治18年)、学用品を持ち運ぶため、「背(はい)のう」を採り入れました。これは、オランダ語で「ランセル」と呼ばれたため、今のランドセルという言葉が生まれたと言われています。ちなみに、文部科学省によると、小学生がランドセルを使わなければいけないという規定はないそうです。

 

長い間、ランドセルの色は「男子は黒・女子は赤」が一般的でした。私が小学生の頃は、なんの疑問もなく、2色のランドセルしかありませんでした。それが、2001年に、イオンが発売したランドセルは24色をそろえ、「ランドセル多色化元年」となったのです。

 

まさに、ランドセル業界に激震が走ったのです。その後、老舗メーカーも多色化が広まります。近年のトレンドは「ジャンダーレス」だそうです。昨年10月に4、5歳児800人に聞いたところ、男子の10人に1人が「赤色がほしい」と回答したそうです。

 

「ラン活」という表現も、最近の言葉ですね。今では、一部の親や祖父母の間で過熱する姿を「ランドセル狂騒曲」とも表現されているそうです。その活動は、年々早まり、3月の新発売初日に完売するモデルもあるそうです。今では、5月で注文を締め切るところもあるとか。

 

大人に人気の吉田カバン・・・私も通勤バッグは、ポーターのリュックタイプですが、吉田カバンも「ポーターサッチェルバッグ」というランドセルを販売しています。これは、子どもよりも、完全にポーターファンの親らを引き付けようとする戦略ですね。

 

保育園を卒園した子どもたちは、4月になると、大きく見えるランドセルを背負って、保育園に遊びに来ます。ピカピカのランドセルを見ると、うれしくなりますね。

 

ただし、「ラン活」の保護者の皆様。ランドセル業界の戦略に踊らされることなく、我が子にとっての「とっておき」を淡々と、楽しみながら見つけてください!(笑)