今日は、気温が上がって、屋上では半袖で遊ぶ園児もありました。冬眠から覚めたクサガメを散歩させると、すごいスピードで歩き始めます。池のウシガエルものっそりと陸地に上がってきました。いよいよ春です。
保育園の給食の時間に、突然、羽織袴姿の女性が現れました。子どもたちも、着物姿の女性の登場で、大騒ぎです。はい。園長の次女です。大学の卒業式に向かうところでした。次女も4月から社会人となり、長女・長男とともに、社会人として頑張ってもらいます。親としては、ホッとする気持ちと、「社会の荒波の中で、自立して生きていきなさい。頑張れよ!」とエールを送りたいですね。
さて、3月12日に全国ダイヤ改正があったJRですが、地方鉄道が存続の危機にあります。人口減少やマイカー普及に加え、新型コロナウイルスによる鉄道利用者の激減が拍車をかけています。そんな中、国土交通省は、2月14日、経営環境の厳しい地方鉄道の改革案について検討を始めたそうです。初会合には、国交省と鉄道事業者の幹部や専門家など約20名が出席し、会議は非公開で行われましたが、赤字が続く地方の鉄道路線の見直し、バスなど他の交通機関への転換を促すといった方針を夏までにまとめるそうです。
日本海に面した新潟県糸魚川市と、北アルプスの山々に囲まれた長野県小谷村(おたりむら)を結ぶ、JR西日本が運営する「大糸線」もその一つになりました。鉄道ファンにはたまらない絶景の路線ですが、通勤や通学など沿線の住民にとっても大切な路線です。
国交省では、「輸送密度」というモノサシが使われます。1キロ当たりの1日平均乗車数です。大糸線は、ピークが1992年で1282人、2019年は1/10以下の102人、2020年はその半分の50人となりました。全国でワースト10です。
日本の鉄道の現実は、東京や大阪などの大都市圏と新幹線からの営業利益を「内部補助」することで、地方路線を支えてきました。わかりやすく言えば、地方鉄道の維持は、鉄道会社がいわばボランティアで行っているようなものです。しかし、人口減・車社会にコロナが追い打ちをかけたことで、もはや今までのやり方では通用しなくなったのです。
一方、茨城県ひたちなか市を走る第3セクター「ひたちなか海浜鉄道」の吉田社長は、企業努力で頑張れると言います。「鉄道が持つ付加価値を見ることです。うちで言えば、沿線には昔ながらの田舎の雰囲気が残っているので、テレビドラマやCM、映画のロケに使っていただくことで、会社の収入や町の宣伝にもなる。車庫見学や列車の貸し切りなどでも収入につながる」と。そして、「鉄道には、バスや車では果たせない役割があります。線路でいつでもつながっているインフラであり、地域活性化にもつながります」と熱く語ります。
世界ではどうか・・・例えば、オーストリアでは、昨年11月から1日3ユーロ(約380円で、国内ほぼすべての鉄道、トラム、バスが乗り放題の「年間パス」を始めたそうです。運賃収入の目減り分は、国が補います。これで、自動車や航空機から二酸化炭素の排出量が少ない鉄道へのシフトを促すのが狙いだそうです。
日本では、コロナ禍で地方に移住しようとする人は増えているものの、公共交通の不便さがネックになっている地域もあります。鉄道は、民間企業の様に黒字赤字のモノサシではなく重要なインフラとして、国を挙げての対策が必要だと痛感します。
私は、のんびりと鉄道の旅をするのが大好きですが、マニアのための鉄道ではなく、そこに住む人たちの鉄道であることが大前提です。なくすのは簡単ですが、なくさないためにを考えるのが、国の仕事です。