地産地消の給食

6歳男の子は「うちのママは25歳なんだよ」と言うと、今度は6歳女の子が「私のママは23歳よ」という会話が聞こえてきました。ママが19歳と17歳の時に生まれた計算なので、少々合わないのですが、子どもたちには「そうか~ずいぶん若いママだな~」とだけ言っておきました。(笑)

 

さて、兵庫県宍粟(しそう)市の小学校では「今日の献立はジビエの発酵カレーです」と、校内放送で給食の献立が紹介されました。市内で捕獲されたシカの肉を塩こうじや甘酒などの発酵食品で軟らかく煮込んだカレーです。給食センターで作られて、市内の小中校20校でこのカレーが登場しました。

 

宍粟市の給食は、地場産物を使った割合が、昨年度は70%となり、国が掲げた全国目標の30%を大きく上回っています。最近では、あらゆるところで「地産地消」を推進する動きが活発です。「ママの料理は、JAの直売所で買った食材なので、地産地消でおいしいんだね!」というフレーズのCMもよく見かけます。

 

しかし、現実の地産地消は、必要数の確保がうまくいかなかったり、生産者の利益が少ないといった課題があります。兵庫県宍粟市では、市内の3つの給食センターが、JAや小規模農家などを巻き込んだ供給体制を構築し、市内産の食材購入費への補助金を制度化し、生産者の利益や必要数を確保することができたそうです。「どこで作られているか知っているので安心」と話す小学生・・・地産地消の給食に子どもたちは誇りを感じ、ふるさとを愛する心を育んでいると校長先生は語ります。

 

千葉県いすみ市では、市内の小中学校全12校で、2017年度から給食のご飯は100%農薬や化学肥料を使わずに作られた市内産の有機米を使用しています。今までは、有機米を作る農家はゼロだったそうです。ところが、給食での使用を目指すと取り組む農家が増え、今ではブランド米の産地として成長したそうです。「いすみの有機米」ですね。

 

ある農家は、「子どもたちに食べてもらえることほど生産者にとって誇らしいことはない」と語ります。市内の小学校5年の授業では、無農薬でエビやタナゴが戻った田んぼの脇の小川で生き物を観察する授業にまで発展したそうです。まさに子どもたちは、「給食を通じて、食だけでなく、農業やその背景にある環境を学んでいる」のです。

 

ちなみに、保育園ホワイトきゃんばすでは、お米は地産地消です。2年前のコロナ禍で、小中学校が休校となり、コメの供給がストップしてしまった、地元農家から米を購入することにしました。職員全員で、今まで使用していた流通米と食べ比べをしたのですが、圧倒的に「うまい!」のです。さいたま市西区産のコシヒカリ玄米を100%白米にするのはもったいないので、7分精米で子どもたちは食べています。

 

今後は、日本の子どもたちの「あんしん・あんぜん」な食へのこだわりが大きくなっていくことでしょう。