不妊夫婦、子育ての選択肢

今日は節分です。お店で恵方巻作りを頑張るママは、昨日と今日は大忙しです。全部売れて、ロスゼロになればいいですね。そして、子どもたちは、屋上で豆まきをしました。自分で作った鬼の面をかぶって、赤鬼役と青鬼役の先生に追いかけられたり、豆を投げたりと、楽しい節分となりました。おうちでも、豆まきで盛り上がりそうですね。

 

さて、厚生労働省は不妊治療を行う夫婦に、子どもを育てる別の選択肢として、里親・養子縁組の情報提供を強化するとしました。4月に合わせて、医療機関が夫婦に説明するための指針を作るとのことです。

 

保育園にも、不妊治療を続け、ようやくできた子どもというママがいます。不妊治療は、体外受精1回あたり平均50万円の治療費がかかります。4月から始まる不妊治療の保険適用で、経済的負担が減ることが期待されますが、子どもが授かる確率が増えるわけではありません。費用負担が減っても、不妊治療がうまくいかなかった時の精神的負担は大きいままです。

 

体外受精を行う女性約500人を対象にした調査では、約半数にうつ症状が見られたという報告もあります。加齢とともに、焦りが大きくなっていくのです。

 

そこで、不妊治療で子どもを授からなかった経験を持つ夫婦に、「里親・養子」制度を周知することで、新たな子育ての選択肢を考えてもらおうというのが国のねらいです。里親は、18歳まで養育する制度で、養子縁組は親となる夫婦が裁判所の許可を得て、法律上の実子とする制度です。

 

貧困や虐待、親の病気などで、親と暮らせない子どもは、全国で約4万2000人で、大半は児童養護施設や乳児院などで保護されています。国は、2017年に「施設から家庭へ」を掲げて、里親や養子縁組で暮らす子どもを増やすよう転換を図りました。しかし、現在は22%止まりで、88%の子どもたちは施設で暮らしています。米国の里親率は82%・英国は73%ですので、日本はかなり低い水準です。

 

もちろん、里親制度や養子縁組制度は、本来は子どもが欲しい人のための制度ではなく、子どもの福祉の推進が最大の目的です。子どもは、犬や猫といったペットではないので、育てる側の大人も責任が生じます。難しい問題でもあります。

 

病院などの不妊治療施設では、福祉の仕組みに詳しい人材は少ないのが実態です。医療機関と児童相談所などの福祉部門との協力が必要ですね。自ら養子を迎えた経験を持つ不妊治療のドクターは「子どもを授からなかった喪失感を夫婦で共有した上で、実子でなくても子どもを大切に育てる決意があるか。そこが大切だ」と言います。

 

保育園ホワイトきゃんばすに通っていた園児が、様々な理由で、児童養護施設で生活することも過去にはありました。子どもにとっても、育てる里親にとっても幸せな日常が送れることを願うばかりです。