保育園のSDGs

トランプを覚えた年長園児は、お昼寝時間にやりたがります。5人しかいませんが、「ババ抜きがいい~」「神経衰弱がいい~」と、なかなか話がまとまりません。もちろん、先生が「○○をしたらいいんじゃないの」なんて、言いませんので、子どもたちの平行線の話し合いが成長につながるのです。

 

さて、保育現場でも、最近はSDGsという言葉をたくさん聞くようになりました。しかし、保育の場でSDGsの取り組みを行うとは、いったいどのようなことなのでしょうか。

 

ある雑誌で「保育園でのSDGs取り組み例」という記事がありました。そこには「小まめに水道の水を止める」「保育園のまわりのゴミ拾いをする」「給食は残さずに食べる」「紙パックから再生紙作りを行う」などが紹介されています。もちろん、SDGs的な考えなのでしょうが、そうした活動を子どもたちにさせることが、持続可能な社会につながるものか・・・保育園側の「子どもたちにSDGsの取り組みをさせた」という自己満足かもしれませんね。

 

では、ホワイトきゃんばすではどうでしょうか。屋上遊びの中に色々なSDGsがあるような気がします。屋上の池やカメのおうちは、今は氷に閉ざされて、生き物の姿が見えません。カメやカエルは「冬眠」という長い眠りについており、魚たちは、水底のほうでほとんど動かないでいることを子どもたちは知っています。やがて春が来て、毎年5月頃にカメの赤ちゃんが生まれます。夏になると、エサをバクバク食べて、活発に動く生き物を観察します。秋から冬になると、エサを食べなくなり、やがて冬眠する。「かめきち」が昨年天国へ旅立ちましたが、生き物の死もたくさん経験しています。

 

また、屋上には、ビワ・クワ・ブルーベリーの実がなる木があります。ビワは5月に食べ、桑の実は6月、ブルーベリーは夏に食べるのを子どもたちは楽しみにしています。

 

ファームでは、1年を通じて様々な野菜を育て、食べる経験を毎年繰り返しています。カブトムシの幼虫は、今はビートルハウスの土の下で生きていることも、モンシロチョウは、サナギのままで春を待っていることも、春にはカマキリの卵からたくさんの赤ちゃんが出てくることも知っています。

 

屋上遊びでは、自転車に乗ることは一年中できるけど、プールは夏だけで、氷で遊ぶことができるのは冬だけです。遊びの中でも、「四季」を繰り返し、感じることができるのです。

 

遠足・ナイトツアー・サマーキャンプ・運動会・ハロウィーンパレード・クリスマス発表会・卒園式などの行事も、1年に一度ですが、繰り返し行われるのです。

 

こうして考えると、保育園の活動の中で、無理にSDGsにつなげて考えるのではなく、保育園での豊かな活動そのものが、SDGsと言えるのかもしれません。

 

保育園ホワイトきゃんばすでは、子どもたちの笑顔につながる活動を毎年積み重ねて、発展させていくことが、SDGsと理解すれば、スッキリしますね。