私は、中学時代に数学の方程式を覚えることに、苦手意識を感じてしまって、「自分は本を読むのが好きだから・・・」と、早々に理系を諦め、文系の道を選択しました。
ところが、社会人になると、数字の重要さが身にしみて分かるようになりました。得意先へのプレゼンテーションには、数字やデータが不可欠です。社内向けの報告資料でも、数字の裏付けがなければ、会社を納得させられません。社会に出てからは、文系出身であろうが、数字を扱うことができなければ、仕事も上手くいかないのです。
ところが、国際的な調査では、理系嫌いが日本の子どもたちの中に根強くあるようです。算数・数学の「勉強は楽しい・得意だ」と答えた子どもの割合は、国債平均を下回っています。しかし、小学校4年の算数の成績は、世界の58の国と地域の中において、ここ10年、シンガポール・香港・韓国・台湾に次いで5位をキープ・中学2年の数学の成績は、2019年に5位から4位にアップしています。成績は、そこそこだけど、好きで楽しいとは思っていないという結果です。
小学校の算数で壁になるのは、「分数」と6年生で行う「方程式の移項」で、中学高校では「ルート」だそうです。算数・数学の難しいところは、積み重ねが大事で、例えば、九九が苦手で小学校5年生まできてしまった子に「小数の割り算をやりなさい」と言ってもできないのです。
ルートとかサインコサインタンジェント、因数分解となると、親もついていけませんが、小学校の算数は、学校にお任せでなくて、親が教科書と宿題をもっと見てあげて!と専門家はいいます。まずは、小1のスタートダッシュをきちんとすること。理想は、小学校に入る6歳までに、1ケタの計算ができるようにしていた方がいいそうです。
ホワイトきゃんばすでは、お昼の勉強で「10マス計算」をよくやっています。今年の年長は優秀で、楽しみながら、1ケタのたし算を楽しんでいます。3男1女をすべて東大に合格させた「佐藤ママ」は、「私は、算数が楽しいと思えるかどうかの究極のところは、1ケタのたし算が瞬時にできるかどうかだと思っています。それが勝負の分かれ目で、算数が苦手な子は、そこに行きあたることが多いですね。計算の訓練の大事さを痛感しています」といいます。
算数・数学の勉強法については、様々な考え方があるでしょうが、これからの時代は、理系と文系がリンクするようになっていきます。例えば、電気自動車を作るには、理系の技術の高さが必要ですが、それだけではダメで、様々な交渉を重ねながら国際規格にのせるには、文系の交渉力が必要です。まさに、両方のバランスが大切というわけです。
世界の共通語は「英語」になっていますが、世界には「英語」が通じない人々がたくさんいます。本当の世界の共通語は「数字」なのです。子どもたちには、算数・数学が好きになってもらいたいですね。