「絶対大丈夫」

今日は、強風の屋上遊びとなりました。自転車に乗れるようになった子どもたちが、今度は、自分の力でこぎ出しができるようになると、一気に自転車の走行距離がアップします。そんな子どもたちのやる気を引き出すには、先生や仲間の言葉が重要になることがあります。自転車なら「頑張れ!自転車免許証までもう少しだぞ!」など、子どもたちの性格を考慮するのですが、効果がある時もあれば、ダメな時もあります。

 

今年のプロ野球は、ヤクルトスワローズが日本一となりました。その高津監督は、ペナントレース中盤からベンチに掛け始めた「絶対大丈夫」という言葉は、日本シリーズのテレビ中継でも、たびたび放映されていました。

 

この「絶対大丈夫」は、高津監督自身が現役投手時代、マウンドという孤独な舞台に上がる際に、常に言い聞かせていた言葉だそうです。それが、いつしかチーム全体の合言葉になり、スタンドの横断幕にも現れました。この魔法の言葉は、ヤクルトスワローズを日本一に導いたといっても過言ではありません。

 

声掛け一つで人は変わります。プロ野球という大人の集団でも効果があったのです。ましてや、毎日が成長過程にある子どもたちにとっては、なおさらのことですね。

 

ただし、この場合は「○○」と言えばいい・・・と単純ではありません。子ども一人一人、声掛けの「魔法の言葉」は違ってくるのです。ここが、難しいところなのです。もちろん、一つだけの正解はありません。

 

もう5年以上前の話ですが、3歳の女の子が登園して、「ママ・・・ママ・・・」となかなか泣きやみません。私は、あらゆる言葉を使って、彼女を慰めようとしました。しかし、全く効果がありませんでした。そこへ、5歳の女の子が登園して、泣いている子の耳元で囁いたのです。すると、すぐに笑顔になったのです。5歳女の子が言った「魔法の言葉」は、「いっしょにあそぼう」でした。

 

園長の言葉ではなく、いつも遊んでくれる先輩の言葉に、泣いていた女の子は心を動かされたのです。

 

保育園の子どもたちに、どんな言葉をかけて、前を向いてもらえるか・・・難しいですが、楽しいものです。