保育園の子どもたちは、バディを組んで助け合う能力が高いです。特に、戦いごっこで、「園長VS園児たち」の状況になると、巧みな連携で、「園長かいじゅう」をやっつけようと頑張るのです。(笑)
これは、普段の異年齢での保育園生活の中で、子どもたちが自然と身につけていった「非認知能力」です。
今日も、鬼滅の刃の話です。教育の分野では、ここ数年「非認知能力」が注目されていますが、「自分も相手もないがしろにしない」という炭治郎たちの行動には、高い非認知能力があります。
IQやテストの点数は認知能力といい、「数値化できない能力」を非認知能力といいます。「がまんする」「あきらめないで続ける」「仲間と協力する」「友だちとのコミュニケーション」「楽観的にものごとを捉える」などが挙げられます。
非認知能力を3つに分けると「自分を高める力」「自分と向き合う力」「他者とつながる力」に分けられます。わかりやすいですね。
鬼滅の刃の炭治郎は、まさに、非認知能力が高い行動をとります。さっきまで殴り合っていた伊之助に「鬼退治に一緒に山に入ってくれてありがとう」と感謝を伝えます。また、自分を殺そうとした鬼が、柱の富岡義勇に敗れて踏みつけられた時は「自らの行いを悔いている物を踏みつけにするな」とかばっています。相手を評価する軸をたくさん持っているのです。
他者を思いやり、自分ごととして考える力が、炭治郎や鬼殺隊は高いのですが、鬼は損得勘定で動き、数字で序列もつけられています。しかし、柱には序列がなく、隊員は信念に忠実に仲間を守るために戦うのです。
炭治郎は、「頑張れ、炭治郎頑張れ!俺は今までよくやってきた!俺はできる奴だ!」とよく言いますね。他者を心から肯定するには、「自分と他人の違い」を受け入れられる心の強さが必要です。自分を肯定できないと、他者に対して、攻撃的な言動を取ってしまいがちです。炭治郎の凄いところは、まず、絶対的に自己肯定感が強いのです。
そして、自分が傷ついたことを「なかったことにしたり、気にしないようにしよう」と多くの人は思いがちですが、人間の感情は、そう簡単に整理できません。傷ついた時は、友人や家族に話すことが大切です。第三者に話すことで自分の考えや感情が相対化され、「自分の感覚はおかしくない」と気づくのです。
自分の心を守るうえで必要なのは「信頼できる他者の存在」です。鬼殺隊が超人的な力を駆使する鬼たちに勝利できたのは、「ひとりで抱え込まなかったから」でもあるのです。
どうですか・・・これらの行動は、すべて「非認知能力」がなせるところです。私たち大人は、子どもたちの「非認知能力」を高めることを考えないといけませんね。まずは、「勉強はやったか?」「テストの点数は良かったか?」と責めるのはやめにしましょう。