ずいぶん前ですが、まだ小さい我が子を連れて、サマーランドの近くになった「東京セサミプレイス」によく遊びに行きました。単純に、面白いキャラクターがいっぱい出てくるので、子どもに楽しませたいというつもりでした。
しかし、このテーマパークも2006年に閉園します。当時は、まだ「多様性を理解する」という考えは、今ほど大きくなかったですね。
実は、「セサミストリート」は、その時代背景を反映した多様性を取り入れてきた番組です。これまで、自閉症をもつジュリアや里親の元で育つカーリなどのキャラクターを登場させてきました。
そして、52年の番組史上初として、アジア系のキャラクターが登場するそうです。コロナ禍で悪化した人種差別問題を取り上げる内容だそうです。
新キャラクターのジヨンは、7歳の韓国系アメリカ人の女の子。エレキギターの演奏とスケートボードが大好きで、夢はメンバーのほとんどがアジア系の人気ガールズバンド「リンダ・リンダズ」との共演だそうです。
ジヨンの声を担当するのも韓国系アメリカ人のキャストだそうで、11月25日放送の感謝祭の特別番組でデビューし、ゲストの大坂なおみ選手らと共演するそうです。
アジア系のジヨンが起用される背景には、昨年来増加したアジア系住民へのヘイトクライムがあります。トランプ前大統領の「チャイナ・ウイルス」と呼ぶコロナウイルスの発言が、露骨な差別感情をあおります。アジア系住民は「自分の国に帰れ」と罵倒されたり、暴行を受けるシーンをテレビでもたびたび報道されていました。
特別番組のワンシーンでは、周囲の人に「ここから出ていけ」と言われるジヨンを、友達のエルモやゲストたちが「あなたの居場所はここだよ」と歓迎する場面があるそうです。
セサミストリートは、子ども向けに作られた番組ですが、私たち大人も考えさせられる内容ですね。