ハイイロチョッキリ

今日の屋上遊びは、お砂場の横にある「ススキ」の群生地に、子どもたちが「秘密基地」を作っていました。ススキの真ん中に道を作って、砂場の砂を敷いていくという単純な作りでしたが、6歳女の子が「ここは秘密基地なのよ!」と自慢げに話してくれました。3年前も、どろんこ広場の横の草むらが秘密基地になったことがありました。どうやら、「秘密基地」は、子どもたちを夢中にさせるようです。

 

さて、保育園の入口には、子どもたちが登園時に持ってきた「どんぐり」がたくさんあります。すでに4カップになっています。

 

子どもたちは、なぜか、どんぐり拾いに夢中になりますね。そして、たくさん拾っては持ち帰り、宝物のように菓子の缶などに入れておいた記憶が、誰しもありますね。しばらくすると、缶の中のどんぐりから、ぷっくらとした何ともかわいい幼虫が出てきます。

 

この正体は、「ハイイロチョッキリ」という昆虫の幼虫です。私が、この幼虫の正体を知ったのは、保育園の親子遠足で、北本自然観察公園のガイドの職員から教えてもらってのことです。大人になって、初めて知りました。

 

青々としたどんぐりが、枝先ごと落ちている時は、ハイイロチョッキリの仕業です。成虫のメスは、どんぐりの帽子の上から長い口で穴をあけて産卵します。その後に、口先のあごで小枝を切り落とすのです。どんぐりには、タンニンが多く、苦みが強いので、樹木からのタンニンの供給をストップさせるために、枝を切り落とし幼虫を守っているそうです。

 

幼虫は、やがて地面に潜り、サナギになり、体長わずか1センチの成虫になるそうです。枝を切り落とすと言いましたが、体長1センチの虫にとっては、どんぐりの大木を切るようなもので、大仕事なのです。

 

どうですか・・・地面に落ちているどんぐりを見る目が変わりましたか。枝付きのどんぐりは、風の仕業ではなく、「ハイイロチョッキリ」が切り落としたどんぐりです。子どもに、ウンチクを語ってくださいね。(笑)