ほんとうのピノッキオ

今日の寺子屋では、年長・年中園児に、子どもたちが大好きな怖い話をしました。「よんでは いけない ほん」という話です。子どもたちは、恐怖心を隠すために、無理に声を出したりするのですが、いつの時代でも、「怖いけど好き」が当てはまります。(笑)

 

さて、ピノキオというと、どんなイメージを浮かべますか。ディズニーに出てくるようないたずらっ子の笑えるストーリーが一般的ですね。

 

しかし、原作は、19世紀後半、イタリア人作家カルロ・コッローディが発表した児童文学から生まれました。ジェベット爺さんが丸太から作った人形の男の子の物語です。

 

原作のピノッキオは、欲望のままに行動しては、手痛い失敗を繰り返します。人形劇一座の親方に燃やされそうになったり、ネコやキツネにだまされて無残な姿で木に吊るされたり、ディズニー映画のピノキオと比べると、その世界はより深い示唆と、残酷さに満ちています。

 

原作では、人間の内面や矛盾、葛藤について、ピノッキオの過酷な運命に合わせて描かれています。しかし、自分勝手だったピノッキオが人を愛し、人のために自らを犠牲にすることを学んでいくストーリーは、ますます個人主義的になっていく現代社会で、私たちが考えなくてはならない問題を示しています。

 

原作を読んでみたくなりましたね。また、原作に基づいた映画「ほんとうのピノッキオ」が11月に上映されるそうです。興味深いですね。