子どもの食物アレルギー

明日の運動会に対しての期待度が、今年の保護者の間ではかなり高くなっています。練習の報告をする園児が多いので、今日の連絡ノートには、「明日の運動会が楽しみです・・勝っても負けてもたくさん応援します・・」のコメントがいっぱいです。うれしいですね。今日は、夕方にグランド整備を行って準備万全です。(笑)

 

さて、子どもの食物アレルギーについては、多くの親にとって難しい問題です。保育園でも、離乳食が始まった0歳児には、「おうちで食べたことがある物リスト」を保護者に作っていただき、細心の注意を払って対応します。

 

2歳までの子どもにとっては、食物アレルギーの34.5%が鶏卵というデータです。やはり卵ですね。

 

厚生労働省では、「離乳食の目安としては5、6か月ごろから卵黄を試してみる」とうたっているのに対して、日本小児アレルギー学会では、「6か月ごろから微量の加熱全卵を食べ始めます」としています。今までの常識は、卵黄⇒全卵の順でしたが、どうやら科学的根拠はないようです。

 

そして、さらに重要なこととして、アレルギーをとことん除去して食べさせないでおくのではなく、卵や粉ミルクを早期に摂取すると予防になるという研究結果も発表されました。あくまでも例ですが、生後6ヵ月から加熱全卵を食べさせたアトピー性皮膚炎のある乳児は、食べさせなかった乳児に比べて1歳時の卵アレルギーの発症率が8割減ったというのです。(16年国立成育医療研究センター発表)

 

しかし、食物アレルギーから死に至ることもあるので、牛乳をおう吐しただけで医師に診せず、親の判断で飲ませなかったり、不十分な問診だけで医師が「除去」を指導することもあるそうです。鶏卵・小麦・牛乳は、子どもの成長にとって、大事な栄養源ですので、「除去」することは、成長に悪影響を及ぼすといわれています。

 

アレルギーの原因食物の確定診断には、疑いのある食べ物を食べ、アレルギー反応が出るかを調べる「食物経口負荷試験」が必要と、専門家はいいます。もちろん、専門の医師による管理が必要です。

 

食物アレルギーで悩む親は多いですが、今までは「除去」だったのが、今の常識は、専門の医師の管理下で「少量食べて反応を見る」に変わってきているようです。命にかかわることですので、とても難しい問題ですが、子どもの「食べられないものがある」を少しでもなくしていければうれしいですね。