いかに親以外の人間と交わっていくか

昨日保育園が終わって、月末に保護者にフィードバックする「子どもたちの成長記」を書いていました。保育園を出ると、ショッピングセンターの駐車場にはほとんど車がありません。おそらく、「鬼滅の刃」の映画をテレビで観るために帰宅していたのではないか・・・と想像します。

 

保育園では、鬼滅の刃の情報をあまり持っていない園長は、子どもたちに質問攻めです。「かなおには本当の名前があるの?」「きぶつじは、どうしてかげんの鬼たちを殺してしまうの?」「いのすけは本当にイノシシに育てられたの?」「ぜんいつの父と母はどこにいるの?」・・・まだまだ質問が続いたのですが、私のまわりには、小学生から3歳までの鬼滅の刃に詳しい園児が集まり、細かい解説をしてくれます。そして、子どもたちの情報を断片的につなぎ合わせ、予習をして、映画を観ました。テレビではなくて、映画館のスクリーンで観たら、泣いていたことでしょう。

 

さて、映画化もされた漫画「テルマエ・ロマエ」の作者、ヤマザキマリさんは、「ムスコ物語」という本を出しました。彼女が20代の頃、長く同棲したイタリア人の詩人との間に生まれた息子デルスさんについてのエッセイです。

 

この本のテーマをあげるならば、「いかに親以外の人間と交わりながら生きていくか」という内容になっています。

 

ヤマザキさんは、母が暮らす北海道で生活すると、夫の仕事に伴い、シリア、ポルトガルへ。息子のデルスさんは、「世界転校」を繰り返していくのです。ヤマザキさんは「私はどこへ行こうと家で漫画を描いていればいいわけですが、息子は引越しの度に学校が変わり、社会と接点を持たなければいけなくなる。一番シビアで容赦ない立場に立たされていたわけです」と言います。

 

親は、どうしても、子どもが困難な状況にならないように願ってしまいますが、普通なら、親が先に死にます。子どもは自立して生きていかねばなりません。「困難な状況」「自分の思い通りにならないこと」という言い方は抽象的ですので、1つ、具体的に考えると、「いかに親以外の人間と交わっていくか」ということです。当然、相手は親ではないので、自分の思い通りにならないことをたくさん経験するわけです。

 

どうですか・・・わが子について、「親以外の人間関係がどれだけあるか?その関係を見守っていく」ことを意識してみませんか。