やり直しのできる社会

来週は、5月に苗を植えた「さつまいも」の収穫を行います。そんなことで、昨日は、イモ掘りの準備で、さつまいも畑の葉を落としていたのですが、そこに現れたのが、「オオカマキリ」です。なかなか立派だったので、これを子どもたちと観察しようと、大きめの飼育ケースで、しばらく飼うことにしました。

 

朝、4歳男の子が一番で登園するなり、「園長先生・・・・大変だ!カマキリ先生がいるよ!」と大騒ぎです。NKHで放映されている「カマキリ先生」を見ていたようです。バッタとコオロギも一緒に入れています。子どもたちは「どうして?」と言ってきますが、カマキリのエサになるとは言えません。仲良く暮らしているんだよ。と、大人のウソをつきました。(笑)

 

さて、先日、走行中の小田急線の車内で、無差別に乗客が切りつけられる事件が起きました。犯人は36歳の男性で、「自分の人生はクソみたい。幸せそうな女性を見ると殺したくなる」と語っていました。

 

犯人は、大学を中退して不安定な職を転々としていたそうです。こうした状況がメンタルを屈折させた可能性があると、専門家は指摘します。

 

日本では、大学の中退者の割合は1割ほどで、10人に1人が中退となると多いですね。ここに、世界に誇れない内閣府のデータがあります。大学中退者が「将来に夢がない」と答えた人が、日本が断トツで73%です。以下、多い順で、韓国43%・ドイツ39%・スウェ―デン33%・アメリカ25%・イギリス21%・フランス18%となっています。

 

もちろん、経済的理由で大学生活を継続できなかった若者も含まれますが、目的を持たず、ただ漠然と大学進学の道を選択した若者が多いことが想定されます。日本では、標準コースを外れた者への風当たりが、まだ強いです。そんな世間の目にさらされて、「自分の人生はクソみたい」と思ってしまうのかもしれません。

 

高校や大学、専門学校は何歳からでも入り直せるし、専門的な技術などを習得するための訓練校だってたくさんあります。ふさぎ込んでしまった若者は、まわりが見えません。孤立させないように、私たち大人は、そっと、別の道へのヒントを教えることも必要ですね。

 

「何回だって失敗したっていいんだぞ!失敗するから、色々なことを学べることができるんだ!」なんて、励ましの言葉を私たちは、ついつい使ってしまいますが、日本が、さらに成熟した国になっていくには「やり直しのできる社会」を作っていかないといけません。口だけでなく、具体的に。