日本300名山 ひと筆書き

今日から、保育園にあるハロウィーンの衣装を自由に着れるようにしました。まるで、今からハロウィーンパレードが始まるような賑やかな教室内です。しばらくは、子どもたちのハロウィーンコーディネートが続きそうです。

 

さて、「ひと筆書き」というと、何を思い浮かべますか。やはり鉄道ですね。私が小学6年生の時の担任が、鉄道好きで、東京近郊区間で、小学校の最寄り駅の国鉄武蔵野線「新座駅」から隣りの「北朝霞駅」までの1駅を同じ駅を通らないで、ひと筆書きで大回りして乗車するツアーを行ったのです。新座駅に朝の6時集合で、解散は北朝霞駅23時というまるまる1日「電車の乗りっ放し」のツアーです。

 

参加した子どもたちは、それはそれは、たくさんの電車に乗れて、大はしゃぎです。料金は、「東京近郊区間内ルール」で、一駅分で、当時の子供運賃で30円か40円だったような気がします。埼玉・東京・神奈川・茨城・千葉をすごいルートでまわります。パソコンがない時代ですので、担任の先生が一人で机上で考えたルートでした。

 

今の時代なら、早朝から深夜までの活動に、学校や教育委員会の許可は下りないでしょうし(たぶん、この時も担任は勝手にやっていたようですが・・)、古き良き時代の思い出です。

 

今日の話は、ひと筆書きでも、日本の300名山を南から北まで、山と山をつないで縦断した男の話です。アドベンチャーレーサーの田中陽希さんです。

 

2018年1月1日に鹿児島県の屋久島をスタートし、3年7カ月が経過した2021年8月2日に、北海道の利尻山山頂へゴールしました。正確には、日本300名山+200名山でありながら300名山に入っていない「荒沢岳」の合計301名山を人力で走破したのです。

 

人力というのは、陸上は徒歩とスキー、川はバックラフト、海はシーカヤックで越えたからです。非常階段の使用が許可されなかった関門トンネルや、いくつかの宿泊施設でエレベーターを使ったほかは、待機期間も含めて、飛行機や車はもちろん、電車や自転車、エスカレーターさえも使っていないそうです。

 

田中さんは「歩く力、こぐ力は人間としてのナチュラルな動作だと思う。私が足を踏み入れる山や海も、何か特別な力を使ったのではなく、生まれてから年月を重ねて自然と今の姿になった。一人の人間が本来持っている力だけでそこに身を投じるのがフェアだと考えたんです」と話します。もう、全くもって脱帽です。

 

人間は、男女に限らず、多かれ少なかれ「冒険心」を持っていると思うのですが、田中さんのようなスケールの大きい人の考えが気になるところですね。

 

「自分が本気でやりたいと思ったことに身を投じるべきだなと、改めて感じました。たとえ周りからみれば何のためかわからないことでも、自分にとって大切なことで意味がある挑戦だと思えば、胸を張ってステップを上がっていける。そのことを改めて教えられた時間でした」

 

こんな風に、言ってみたいものですね。田中さんにとっては、この偉業もただの通過点だそうです。