私がサラリーマンをしていた10年前には、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がすでに使われていたような気がします。人生の大きなテーマの一つが、仕事とプライベートのバランスをとること・・・なんていわれます。
しかし、サラリーマン時代も現在の保育園の仕事でも、いまだに「ワーク・ライフ・バランス」がきちんと整ったことはありません。言い方を変えれば、「仕事とプライベートは5対5で生きていこう!」なんて決めてしまった人生など、つまらないものです。
バランスを整えることができるようになった時は、人生の引退なのかもしれませんね。休みなしで仕事に取り組んでいる時は、「ちょっと休まないと、心も体もボロボロになるぞ」と休みを取り、少し遊び過ぎているなぁ~と思えば、一生懸命仕事に取り組む・・・そんな感じでいいのかなぁ~なんて思っています。
保育園の見学に来る保護者へは、見守り保育と一斉保育のバランスの話をよくします。「ふだんの屋上遊びや教室内で子どもたちが遊んでいるときは、ほぼ『見守り保育』になっています。今からみんなで○○をやろう・・・と遊びを誘導することはありません。しかし、運動会やクリスマス発表会での練習は、100%『一斉保育』です。トータルでは、7が見守り保育で、3が一斉保育ですね」と話をしますが、その割合はいい加減です。(笑)
「リターンとリスクのバランスを考えながら保育をしている」ともよく言いますが、屋上遊びで、子どもたちが自転車でスピードの出し過ぎで転んでけがをしたら、「○○禁止」のルールができて、リスク重視のバランスが高まるのです。
子育てについても「アメとムチ」のバランスの例えは、よく使われますね。子どもの性格、タイプによって、アメとムチのバランスは変わります。同じ子どもでも、小学生時代と中学、高校時代では違ってきますね。
どうですか・・私たちは、様々なバランスを取りながら生きているわけですが、少し考え方を変えて、「最適なバランスを見つけよう!」ではなくて、「バランスが整っていない方が、面白いんじゃないの!」と思ったほうがいいのかもしれませんね。