異なる視点を「考える」

先週から、保護者との個人面談を始めています。毎日の送り迎えの会話の中では、なかなかできないような深い話や悩みなどを共有します。ホワイトきゃんばすが大切にする「自分で考えて自分で答えを出す」という園児へのアプローチについては、異年齢保育で年上園児や卒園児の小学生にも影響を受けながら、着実に我が子に身についているとの話を聞くと、嬉しくなりますね。

 

自分で考えることをしないと、こんなことが起きてしまいます。

 

2015年、被爆70年事業として、長崎市の教育委員会は「世界こども平和会議」を行いました。そこで、「原爆投下は正しかった」と主張する海外の参加者に、地元長崎の中学生は反論ができなかったそうです。

 

「原爆は人間が作った最大の過ちであり、これによって多くの命が奪われた。戦争は、二度と起こしてはいけないこと。決して、同じ過ちを繰り返してはいけない」

 

おそらく、長崎の中学生だけでなく、日本の多くの若者は、このように、原爆や戦争について教わってきました。しかし、アメリカでは、「原爆を投下したことで、長期化した戦争を終わらすことができた。もし、原爆投下がなかったら、だらだらと戦争が続き、さらに多くの命が、日本人もアメリカ人も失われていたのだ」と、教えられていたかもしれません。

 

そこで、長崎市では、自分の言葉で平和を語り、行動できる子どもの育成を目指すようになります。

 

例えば、中3向けの授業では、①あなたは科学者で、知らぬ間に大量殺人兵器の開発に関わっていた ②政府に「兵器が完成すれば戦争は早く終わる。辞めれば将来はない」と説得された ③あなたは開発を続けるか、辞めるか・・・と問いかけます。

 

生徒は、自分の考えに基づいて立場を選択し、理由を話し合います。もちろん、問いには正解はありません。大切なのは、正解を求めるのではなく、自分で考えることです。

 

討論の過程で意見を変える生徒や、自分の考えがより強固になる生徒もいるそうです。つまり、自分の考えを主張するものの、相手の異なる視点での考えを受けて対話をしていく中で、より考えを深めていくのです。相手の考えに納得すれば、意見を変えることも大切ですね。

 

「自分で考える」という、子どもたちへのアプローチ・・・大切にしていきます。