頑張っている「聞こえない音」

今日の体操教室で、鉄棒の逆上がりに成功した6歳男の子は、「よっしゃー!」と大きな声を張り上げて、頑張った自分を鼓舞します。一方、同じように逆上がりに成功した6歳女の子は、声を上げることはありません。たぶん、心の中で「やった!」と思ったのでしょう。

 

オリンピックの競技では、金メダルを取った選手が喜びの声を上げて、負けた選手は、悔し涙の声を上げます。これらは、すべて「頑張っている音」です。学校でもたくさん聞こえてきます。「おはよう」「こんにちは」「さようなら」などのあいさつの声、授業では教科書を読む声、活発に発表する声、グループで話し合う声、音楽の歌声・・・まだまだたくさんありますが、これらは「聞こえる音」です。

 

一方、「頑張っている音」の中には、「聞こえない音」もあります。例えば・・・教室で一人一人が読書をしている読書タイム。授業中に一人一人が集中して考えている時もそうですね。時々、紙をめくったり鉛筆で文字を書いたりする音が、かすかに響きます。

 

どうですか・・・「頑張っている音」には、見なくてもわかる「聞こえる音」の他にも、一人一人が声を出さずに集中している時の「聞こえない音」だってあるのです。

 

オリンピックで、「聞こえない音」を探してみませんか。競技に入る前の集中する心の声は、選手たちにとっては、頑張っているけど「聞こえない音」ですね。

 

私たちは、耳にすることができる「聞こええる音」に、注目してしまいますが、「聞こえない音」を意識したことはあまりないですね。少し、視点を変えてみて「聞こえない音」に出合う楽しみを感じてみませんか。