ヘンリー五世

今日は三橋公園に、小学生を連れて行ったのですが、セミの抜け殻があらゆる木にありました。過去のナイトツアーで、夜の三橋公園で、セミの羽化を観察しました。約5年間地中で暮らしたセミの幼虫が、木を登り、柳の葉につかまって羽化します。最初は、真っ白なセミで、とても神秘的です。約2週間のはかない命なのです。

 

さて、今から9年前のロンドンオリンピックの開会式では、一人の紳士が馬車から降り立ち、おもむろにシェークスピアの一節を語ります。今日は、シェークスピアの「ヘンリー五世」の話です。

 

イングランド王ヘンリー五世が、フランスに攻め込んだ「アジンコートの戦い」を描いた戯曲です。圧倒的な数のフランス軍に対してイギリス兵は5分の1.当然、恐怖に包まれる兵士もいます。その無謀な戦いの最大の見せ場は、戦に赴く際に、国王が兵士を鼓舞する「語り」です。

 

「戦うものが少なければ少ないほど、名誉の分け前は多くなる。今日、クリスピアンの祝日は、未来永劫、語り継がれる。我々は兄弟の一団だ」この言葉に勢いを得たイギリス軍は勝利します。

 

そして、今、東京五輪2020で、日本選手の特に団体やペアでの活躍が目立っていますね。これには、選手個々のたゆまぬ努力の結果であることは言うまでもありませんが、戦いを前にして、リーダーである監督やコーチが、どんな言葉で、選手たちを鼓舞したか、大いに気になるところです。

 

人を動かす一番の原動力は、行動の意味や価値、いわゆる大儀を示し、一人一人の心に強く確かなものを描けるかどうか・・・にかかっています。

 

まだまだ、東京五輪2020の競技は続きますが、選手の活躍の陰にある、監督・コーチ・リーダー選手の言葉に注目してみませんか。きっと、私たちの日常においてのリーダーの資質や組織の在り方の参考になるかもしれません。