昨日の寺子屋では、スクラッチ(ひっかき絵)を行いました。画用紙に線を何本か引きます。線を引いた中を様々な色で塗り込みます。その上に、黒色のクレヨンですべて塗りつぶします。そして、竹串で好きな絵を描くと、虹色のような絵が彫れるのです。6歳女の子が、素敵な星などのデザインを完成させました。
しかし、子どもたちにとっては、黒く塗りつぶすことに抵抗を感じます。「えっ~真っ黒になっちゃうけど…大丈夫かな~?」という気持ちです。
私は、横で、令和4年度の入園希望のママと話をしながら、子どもたちが、複雑な気持ちで真っ黒に塗りつぶした画用紙を見つめていました。
ブラック企業・ブラック校則・ブラック部活などと、ブラックは否定的な意味で使われますね。テレビの刑事ドラマでは「あいつは黒」といえば犯人のことであり、白黒をつけるとは決着をつけることです。
ブラックは、黒色・否定・悪・負であり、一方ホワイトは、白色・肯定・善・勝という図式が一般社会にはあります。保育園ホワイトきゃんばすにも、「ホワイト」が使われています。
光の3原色は赤・緑・青ですが、これらをすべて混合すると白色になります。一方で、色の3原色のマゼンダ(赤紫)・シアン(青緑)・イエロー(黄)を混ぜると黒色になります。宇宙の果てには、ホワイトホールではなく、ブラックホールがあります。高密度で、強い重力のために物も光さえも放出できない空間と言われています。
う~ん・・・ますます「黒」が悪役になってきましたね。プロレスラーの蝶野選手は、若い頃は白のタイツを身につけていましたが、ヒールとなり、黒のリングコスチュームに黒のサングラスに変えますが、とても決まっています。しかし、その黒の中に「俺は誰にも染まらない・・・群れないで生きる」を主張しているようで、かっこいい生き方として、プロレスファンには伝わりました。すでに、日本のプロレスファンは、ベビーフェイスVSヒールという2極対立の単純な構図では満足できないレベルになっていたのです。
すみません・・またマニアックな話になってしまいました。話を戻します。
裁判官の着用する法服はどんな色にも染まらない黒色です。その意味は、法令と自己の良心にのみ従う決意が込められているといいます。
なんだか、こう考えると、ブラック・黒色は、私たちの心を表現するベースになる色なのかもしれませんね。