今日の寺子屋は、「てつがくの時間」です。ケヅメリクガメのかめきちの水槽前の電気を消して、ロウソクに火をつけます。これで、子どもたちの「考える」スイッチがオンとなるのです。
話し合うテーマは「しあわせ」についてです。まずは、年少寺子屋3番の園児からスタートします。しあわせの意味が分かっているか・・・そこから確認すると、だいたい理解しているようなので、「しあわせと思うのは、どんな時?」と聞いてみます。
「パパとママが笑っている時」・・・いきなり、核心をついた回答です。その後「初めて自転車に乗れた時」「大好きなピザを食べているとき」「ママが抱っこしてくれた時」「ママがやさしい時」と、年少園児は、ママとの直接的なふれあいに、しあわせを感じることが多いようです。
この年少園児の回答を受けて、今度は、年長・年中園児を集めます。このメンバーは、自分の意見をしっかりと言える子が多いです。
まずは、年少と同じように「自分がしあわせと思うのは、どんな時?」と聞いてみると、次々と手があがります。
「パパとママと一緒に料理を作っている時」「ママと買い物をしている時」「ママが笑っている時」「屋上でお砂場遊びをしている時」「屋上で○○君と野球をしている時」
「友だちと野球をしている時、友だちも幸せだと思う?」「うん。絶対そう思う」「じゃ、友だちが野球が上手になるのは、どう思う?」「それも、しあわせに感じる」
このやりとりの中で、子どもたちは、「友だちがしあわせな気持ちになれば、自分もしあわせな気持ちになるみたいだ・・・」と思い始めます。
「ママが笑っていたり、ママと遊んでいる時に、みんなしあわせを感じるっていうけど、じゃ、ママから怒られた時は、どう思うの?」と聞いてみます。
「それは、めちゃくちゃ嫌な気持ちになって・・・泣いちゃう時もある・・・」という意見がほとんどの中で、5歳女の子がこう言います。「○○は、少しだけど、しあわせに思うよ」「それは、どうしてかい?」「ママが○○を怒ってくれるのは、○○が好きだからと思うんだ」と、言ったのです。
どうですか・・・こんな考えを5歳で持てるなんて、私は、ビックリしました。
それから、こんな意見もでました。「パパが寝ているのを見ると、なんだか幸せな気持ちになる」「せんたくものをたたんでいる時・・・しあわせ」
子どもなのに、日常の些細なことに、しあわせを感じることができるのです。洗濯ものをたたむという行為は、ママのお手伝いができてしあわせという気持ちでもありますね。
今日の「てつがくの時間」では、「しあわせ」の定義を導くつもりもありませんし、答えなど出せないですね。しかし、子どもたちが、自分の頭で考えて、でも、頭で考えていることは他の人には見えないから、言葉で発言することが、ねらいです。
今日は、「しあわせ」について、なんとなくですが、「普通の生活の中に、ほんの些細なことの中にしあわせは、たくさんあること」「しあわせは、自分で感じることが多いけど、友だちやパパママがしあわせになったら、自分もしあわせな気持ちになる」と思ってくれたようです。どう感じるのも、子どもたちそれぞれで、違っていいのです。
私が、一番驚いたのは、ママに怒られても、なおその中に、しあわせを感じた5歳女の子の感性にアッパレです!5歳の哲学者ですね。