複数の目で子どもを理解する

先日、お腹に赤ちゃんがいるママが、保育園の見学にやってきました。何と、2022年度の入園希望です。5月出産予定で、子どもが1歳になる前に保育園に入園させ、お仕事を始めるというビジョンです。

 

いつものように、屋上の環境を見てもらいます。自転車がいっぱいあって、生き物を飼っていて、ファームもある。そして、何と言っても「こんなに広いところで毎日遊べるなんて、すばらしいですね!」と言っていただきました。

 

幼稚園に通う年少の兄も一緒にいたのですが、異年齢保育にも関心があるようでした。子ども同士のかかわりという点では、異年齢保育のタテの関係が子どもの成長につながっているのは、このママも理解しているようでしたので、もう一つの「大人とのかかわり」について、話をしました。

 

「保育園の職員6人で、全ての子どもたちを見ています。職員は、金太郎飴ではありませんので、一人一人、子どもの良いところも悪いところも見方が違ってきます。担任制では、どうしても、子どもの見方が固定化してしまいます。6人で見れば、子どもの長所だったり、得意なことや友だちとに関わり方などを多く発見することができます」

 

ここまで話をすると、見学のママの目の色が変わってきました。そして、子どもの側からも、担任一人ではなく、先生が多いと「遊びたい時は○○先生」「ウンチ出たの報告は○○先生」と、先生を選ぶことができることも話します。

 

無事に、元気な赤ちゃんを産んで、「ホワイトきゃんばすに決めた!」となるとうれしいですね。

 

2020年改訂の「保育所における自己評価ガイドライン」には、次の文章があります。

 

「他の保育士等や保護者から子どもの様子や話していたことなどを聞いたり、異なる場面での様々な姿を丁寧に見比べてみたりすることで、今まで気がつかなかった心の動きや関係性の変化などが見えてきたり、ある出来事や経験の子どもたちにとっての意味や価値、『その子らしさ』といったものが、改めて浮き彫りになったりすることも少なくありません」

 

行政の文章は、どうもわかりづらいですが、要は、「複数の大人の意見を共有して、子どものいいところを見なさい」ということです。

 

私も園長として、毎日子どもたちと関わっていますが、他の先生の視点に、「この子にはこんなところがあるのか!」と新たな発見をするのです。