昨日、父母の墓参りに行った帰り、埼玉県の話題のスポット、所沢にできた「サクラタウン」に行ってきました。角川グループのバックアップで誕生した場所です。モニュメントとなる、大きな石の建物が目を引きます。
その中の「ダ・ヴィンチストア」という本屋さんが、私の琴線に触れました。普通の本屋さんは、ジャンルごとに整然と本が並んでいるイメージですが、ここでは、ほぼすべてが、粋なテーマにあわせて本が並んでいます。その本のチョイスが抜群なのです。正月に読む本をまとめ買いしてしまいました。
さて、今日はマンボウの死にざまについて話をします。マンボウと言えば、あの独特な姿で、水族館でも人気の魚です。時々、砂浜にマンボウの死体が打ち上げられてニュースになることがあります。マンボウは海面に近いところを泳いでいるので、波にあおられてしまうそうです。
マンボウは3億個もの卵を産む魚であると言われています。マンボウの卵巣内に、3億個以上の未成熟卵が見つかったからです。生き物が子孫を残す戦略には、たくさんの小さな卵を産む選択肢と、数は少ないが大きな卵を産む選択肢があります。
全ての生き物は、この二つの選択肢の狭間で揺れ動きながら、それぞれの戦略を発達させているのです。人間を含む哺乳類は、1年に一匹か二匹の子どもを産みます。産むのは卵ではなく、母親の胎内で卵からかえった胎児を大切に育てて、さらに産んだ子どもの面倒まで見ます。こうして、少ない数の子孫を産んで、徹底的に生存率を高める戦略をとります。
一方、魚の仲間は、哺乳類とは逆に、たくさんの卵を産む戦略です。中でも、マンボウはその典型と言えます。この卵がすべて成魚にまで成長すれば、世界中の海はマンボウで埋め尽くされてしまいますがそうはいきません。産み落とされた卵の多くは食べられ、小さな卵から生まれた稚魚もほとんどが食べられてしまいます。大きくなっても、カツオやマグロ、カジキなどの大型魚類やサメ、シャチ、アシカなどもマンボウを獲物にします。こうして、多くのマンボウが、海の藻屑となっていくのです。
宝くじの一等にあたる確率は、1000万分の一と言われています。マンボウが無事に大人になる確率はそれよりも低いのです。マンボウの寿命は明確にはわかっていませんが、魚の中では長く、20年から100年と言われています。しかし、そこまで生きることができたマンボウは、幸運な一握りのマンボウなのです。
人間の平均寿命が、日本人では80歳を超えていますが、自然界では、すべての生命が寿命を生き抜けるわけではありません。砂浜に打ち上げられたマンボウは、むしろ幸運なマンボウで、ほとんどのマンボウは、ニュースになることなく、生まれて間もないうちに、みんな死んでしまうのです。
さて、いよいよ令和2年が終わります。よく「想定外の出来事が起きた・・・」という言葉を聞きますが、今年は想定外をはるかに超えた一年でした。未知の恐怖との戦いに、私たちは、様々な考えをこらしました。
おうちでも快適に過ごすこと・・・商売をやっている人なら、どうやって売上を獲得していくか・・・学校に来れない子どもたちにどうやって学ぶ機会を与えることができるか・・・未知の病気に感染しないためにどうするか・・・きりがありませんね。
お店で食事をすれば、ガラガラの店内を見て、自粛も必要だけど、この店が潰れてしまっていいのか・・・医療現場で働く人たちに、どんな支援ができるのか・・・「○○してください」という政府や行政の指示に従うだけでいいのか・・・
私たちの多くが、いっぱい考えて、正解のない答えを出して、それに進んだ一年だったような気がします。今の子どもたちが、大人になって、今回のような誰もが予想できない局面に遭遇した時に、どうやって立ち向かっていくのか・・・指示通りに実行できる子どもではなくて、「考えること」ができる子どもたちを私たち大人は、育てていかなければならないと強く思った一年でもありました。
まだ、未知の恐怖との戦いは終わっていませんが、どうぞ、お体を大切に、よいお年をお迎えください。この1年、保育園ホワイトきゃんばすを支えて頂いた多くの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。