今日は屋上ファームで大根の収穫です。毎年「大きなカブ」みたいで、子どもたちから親しまれている「聖護院大根」と、普通の大根の半分くらいの長さの「短足大根」を収穫しました。
大きい園児は、自分一人で大根が抜けるので、一人で何本も収穫する園児もいます。1歳児のチビちゃんたちも、先生の手を借りて大根を引っこ抜きます。自分の顔よりも大きい聖護院大根を手にして、「どんなもんだい!」という顔をしています。ざっと60個の大根を収穫しました。今日のお土産です。
さて、「くも」という題のたった一行の詩を紹介します。
くも 空が青いから白をえらんだのです
どうですか、何かいいですね。これは、少年刑務所の受刑者が創った詩です。岩渕和信さんは、ひょんなことから奈良少年刑務所で、絵本と詩を使った「物語の教室」の講師を務めることになります。
この少年刑務所には、数々の重大事件を引き起こした犯人たちがいるのですが、おびえたような顔をする彼や、ふんぞり返って偉そうな彼、ぶつぶつつぶやいている彼や表情がなく目だけが宙を泳いでいる彼・・・そんな連中が相手です。
童話を読み聞かせ、役割演技を体験させていく中で、彼らの本当の姿が明らかになっていきます。彼らは、「ことば」を持っていなかったのです。「たのしい」「かなしい」「さみしい」「ふあん」「わくわく」「どきどき」など、その表情が描いてあるカードを使って思いを表出させるところから始めたそうです。彼らの「ことば」を受け取ることに徹します。
これまで、自分の気持ちの表出方法を知らなかった彼らが、受け取ってもらえる快感を味わいながら「ことば」を獲得していったそうです。やがて、それらの「ことば」は詩となって、一人一人をつなげ、彼らの居場所は、安らかになっていきます。
冒頭の詩「くも」の作者は、薬物中毒の後遺症で、ろれつが回らないそうですが、やっとの思いで、この短い詩を読み切り仲間の拍手を浴びます。自分を受け取ってもらった安心感でいっぱいになったそうです。
こうして考えると、教師の仕事は、知識を与えるよりも、まず受け取ること。そして、お互いが安心して受け取り合えるように場を整えることかもしれません。
保育園の子どもたちの「ことば」をしっかりと受け止めていかなければいけませんね。