今日は、フランスのドキュメンタリー映画「ちいさな哲学者たち」の話です。
舞台は、パリ近郊の幼稚園。様々な人種の子どもたちが通うこの幼稚園では、月に、2・3回「哲学のアトリエ」が開かれます。
授業が始まる前に、輪になった園児たちの前にロウソクの火が灯されます。初めは発言のなかった子どもたちが、次第にそれぞれの考えを語りはじめ、意見が違っていても相手に耳を傾けることを覚えていきます。
「人を好きになることについて」「自由について」「子どもにはできないけど、大人にはできることは?」「結婚について」「貧しい人のこと」など、様々なテーマについて語り合い、子どもたちが次第に考える力を身につけていくのです。
そして、ある子どもは「自由とは優しくなれること」と。またある子どもは「自由って監獄から出ること」と言います。
当然、この「哲学のアトリエ」は、親たちにも影響を及ぼしていきます。
先生が園児たちに「死ぬのは怖い?」と尋ねます。子どもは「人が死ぬのは楽しくないな」「なぜ、楽しくないの?」「なぜって、一人になりたくないから。そうなったら迷子になっちゃうよ」「魂ってなんだろう?」「目に見えなくて、青いものだよ」
こんな感じで、子どもたちの素直な「言葉」が引き出されます。
保育園の子どもたちからは、「何でこんなことを考えられるの?」「どうしてこんな言葉を知っているの?」というやり取りは、毎日のようにあります。
普通「言葉」というのは、人生経験を積んで、人としての厚みを増したからこそ、心に響く「言葉」が出てくると思うのですが、まだ、4、5年しか人生経験を積んでいない子どもたちから、こんな「言葉」が出てくるのは、不思議でなりません。
子どもたちが「考えること」を続けることで、また、私たち大人が「哲学のアトリエ」のような時間をつくり、導くことで、子どもたちの「考えること」が広がっていくのです。
どうですか・・・観たくなりましたか。2010年の映画で、DVDにもなっています。