藤井聡太さんの活躍で、将棋サロンなどに通う子どもが増えています。子どもの教育に将棋がよいのでは・・・と感じる親が多くなっているようです。
テレビを見ていると、将棋の勝敗は、勝てないと判断した側が敗北を認めて「負けました」と自ら頭を下げて伝えることで決着します。
この「負けを認めるプロセス」がポイントです。つまり「何度も負ける経験をして、自分の中での折り合いの付け方を学んでいく」のが将棋なのです。
今、保育園では、運動会の練習で「勝つこと」「負けること」を子どもたちは連日のように経験しています。子どもたちにとっては、「負けを認めるプロセス」を受け入れることは、とても苦しいものです。練習では、毎日誰かが、負けて泣いています。
かけっこが一番速い6歳の男女を30メートル走の最後に組ませていました。ところが、何度やっても勝てない6歳女の子が、次第にやる気を失っていきます。大人がみても、頑張れば何とか勝てるというレベルではなく、大きく差がついていたのです。
そこで、2番目に早い6歳男の子を最終ランナーに変更しました。彼は、「勝てないかも知れないけど、○○くんと走ることが出来てうれしい!」と考えるタイプです。しかし、最初の対決は、完敗です。しかし、回数を重ねるたびに、その差が縮まってきました。昨日の紅白対抗リレーでは、リードしてバトンを受け取ります。前日は、そのまま逆転されたのに、抜かれることなく逃げ切ったのです。
そして、アンカーを外された6歳女の子は、かけっこ男子ナンバー3との対決で、勝つようになり、今までのやる気がなかった気持ちが、一気に「運動会がんばる!」となったのです。
ホワイトきゃんばすの運動会では、「勝ち負けがつく」競技がたくさんあります。これは、子どもたちが大人になるまでに、勝つ喜びも負ける悔しさも経験してもらいたいからですが、今回の6歳女の子のように、負け続けることが、時にはマイナスになるので、チーム分けや1対1の対戦相手については、十分に考えて決めています。
「勝つことも」「負けること」も子どもたちの成長にはどちらも必要ですが、そのバランスが難しいのですね。勝つことで自信がつき、自己肯定感が高まり、ポジティブな気持ちが高まります。負けることで、相手に対する思いやりや謙虚な気持ちが育ちます。
運動会は、練習も当日の結果も子どもたちの成長につながります。あと2週間・・・しっかり楽しく取り組んでいきます。