父・・・旅立つ

先週木曜日に息を引き取った父ですが、週末をはさんで、昨日は友引でしたので、本日葬儀を行いました。5日も家にいたので、父と最後に過ごす時間も、一方的ですが話す時間もたっぷり取ることができました。昨日、納棺式を行い、いよいよ本日、遺骨となるまでの時間を過ごしました。

 

またもや、不思議な現象が起こります。本日早朝、誰もいないはずの洗面所で「ピチピチ」と音がします。昨日のうちに、父は葬儀場へ移動しているのですが、「俺はここにいるぞ」と教えているかのようです。

 

そして、葬儀場へ向かう朝、家族を乗せた車のまわりを一羽のアゲハ蝶が、舞うように飛んでいます。とても不自然な飛び方でしたので、たぶん、父の化身だったかもしれません。(はい。信じるも信じないもあなた次第です)

 

家族葬で、身内だけの葬儀を行ったのですが、現在セレモニーホールは、新型コロナウイルスの影響で、数百人の参列者が集まるような葬儀は、ほとんどない状況だそうです。それだけではなく、お通夜での食事も自粛され、当然参列者減少で、返礼品を扱う業者も、大打撃となっているようで・・・飲食に代わる弁当のテイクアウトなど、新しい様式もこの業界にも起こっているようです。

 

さて、87歳のわりには、骨はしっかりしていました。火葬場の担当者が、「この骨は頭蓋骨で、これは腕の骨です・・・」と全身の骨を冷静に説明する姿を冷静に聞いていました。「この人は、今まで、何人の骨を解説したのだろう・・・」なんて、不謹慎なことを考えていました。

 

火葬を待つ間、控室で昼食を食べます。父の写真を置き、その前にも豪華な食事が用意され、一緒に食べるのですが、配膳担当の女性が「いやあ~お父様・・男前ですね・・」なんて、その場が一気に明るくなるような、素敵な声掛けをしてくれました。故人が、しんみりと食事をされても喜ばないよ・・・というメッセージを粋な接客で、親族に伝えているかのようで、素晴らしい応対でした。

 

2年前に母が逝き、その1年前には、父が散歩などの世話をしてかわいがっていた愛犬が先に逝っていたので、これで、あらためて、夫婦&愛犬での生活が、向こうの世界で始まることを考えれば、父にとって、今日は新たなスタートの日です。

 

六文銭と導き地蔵で、無事に49日の旅を終えて、父が世話になったたくさんの人が待つ天国へ行くのでしょう。

 

こっちの世界では、父や母からもらった、たくさんのことを大切にしながら、残された私と家族は、今まで通り、前を向いて生きていこうと思った次第です。今夜は、骨となったおやじと酒でも飲むとします。