危機を教材にする

埼玉県は、いつのまにか「首都圏連合艦隊」となっておりまして、国の基準である、直近1週間で、10万人当たりの感染者数0.5人を下回っているにもかかわらず、緊急事態宣言が解除されることはありませんでした。

 

東京も本日、基準を達成したのですが、神奈川県が未達という結果での今回の見送りに、スッキリしない感じもしますね。企業に例えるなら、予算達成したにもかかわらず、給料ダウン、ボーナス削減みたいなものです。

 

国をあざ笑うかのように、具体的な数値目標を掲げて、それをクリアし、いち早く経済の立て直しに舵を切る大阪府とは大違いです。

 

さて、休校で混乱する学校ですが、今日は、この危機を逆手にとって教材にしようという話です。題して「コロナに学ぶ国語・算数・理科・社会」です。

 

理科は、今回の病原菌はウイルスであって、細菌ではありません。細菌には細胞膜があり、自力で増殖しますが、ウイルスに細胞膜はなく、自力で増殖できません。生物学者の従来の定義からすれば、ウイルスは生き物ではないのです。これを題材にして「生きているとはどういうことか」というテーマを考えるのはいかがでしょうか。

 

算数は、感染は「再生産数」が1以上になると拡大し、1未満が続けば収束に向かっていきます。「再生産数」の求め方はどうするのでしょうか。

 

社会では、アメリカで感染者が増え続け、死者も多いのは、国民皆保険制度がなく、安心して医者にかかることができない患者が大勢いるからです。社会保障が充実していれば、人の命を救うことができるのです。ここは、社会保障の意味を考えるいいチャンスですね。

 

最後に国語です。ウイルスとの戦いの中で、各国の首脳は国民に協力を呼び掛けていますが、首脳によって、心に響く語り掛けができる人と、できない人がいます。「相手の心に届く」コミュニケーションとは何か、考えてもらいましょう。

 

どうですか・・・こんな授業ができたら、子どもたちの「考える力」は、ぐんぐん伸びていくでしょうね。

 

はい。これは、ジャーナリストの池上彰さんの提案でした。さすがですね。