この週末は、首都圏含めて街に活気が少しずつ戻ってきたようですね。「油断するとまた感染拡大する!」と警鐘が鳴らされますが、我慢ももう少しです。
さて、私たち大人は、子どもたちへ、今回の新型コロナウイルスの話をどう伝えているでしょうか。「コロナだから○○してはいけない!」を連発しているかもしれませんね。
この問いに、イタリアのミラノ子どもミュージアムが出版した「好奇心を持った男の子と女の子のための銀河コロナウイルスガイド」は、示唆に富む答えを示しています。
和訳を読んでみましょうか・・・
「好奇心(興味)は、勇気よりも強く、恐れに打ち勝てる」
この物語は中国の揚子江の向こうにある「武漢」とう町で生まれました。
この町に住む、李文亮というお医者さんが、重いインフルエンザの患者からおかしな症状をみつけました。
興味に駆られた彼は、データを集めて研究し、数日後、新しい伝染病に対する警告を発することを決心しました。
医師たちと科学者たちは、すぐに研究を開始し、原因をつきとめました。私たちの肺の中のもっとも小さな部分にまで入り込む、とても小さな微生物です。その名は、Srs-CoV-2、またはコロナウイルスとも呼ばれています。
コロナウイルスはどのくらい小さいのでしょうか?針の先ほどの点の中に、ちょうどフィレンツェの人口と同じくらいの、35万ものウイルスが住めるくらい小さいのです。
わたしたちの国では、コロナウイルスはあっというまに、スターになってしまいました。ラジオでTVで、新聞で、大人達はそのことばかり話しています。ついには、学校もお休みになりました。
友だちと出かけられないのはおかしいことですが、それでも重要なことに、たった1回のくしゃみや握手で病気になってしまうからなのです。科学者たちは、ウイルスが閉じられていて、人の多い場所で広がっていると言っています。言葉も出身も年齢も関係なく、全ての人の安全のために重要なことなのです。
ウイルスがこれ以上人から人へ広がることを防ぐために、科学者たちと医師たちは夜も昼もウイルスを打ち負かす方法を研究しています。怖がる必要はありませんが、よく注意してくださいと言っています。いくつかの小さな習慣を守ることでウイルスの広がりを防げます。予防の習慣です。
①水と石鹸でよく手を洗うこと。②くしゃみをするときは、ちり紙や腕で口をふさいで、そのあと手を洗うこと!③閉じられていて人の多いところに行かないこと。④目や鼻や口といった、ウイルスが身体の中に入り込みやすい場所にさわらないようにすること。⑤使ったちり紙はすぐに捨てること。⑥もし熱が出たり、のどが痛かったり、インフルエンザっぽく感じたら、自分や周りの人が危険にならないようにすること。家で安静にしていること。
ずっと友だちと会わないでいられるかって?
きっと、もうすこし時間がたてば、いつもの生活にもどれるように、科学者たちががんばってくれることでしょう。それまでの間は、創造性を発揮してください!もうすでに、世界中のたくさんの若者たちが、直接手を触れたり、ハグすることなしに、楽しんだり挨拶できる方法を発明しています・・・あなたたちは、どんな挨拶のしかたを発明しますか?
どうですか・・・とても分かりやすい内容ですね。コロナウイルスの予防法だけでなく、解明に取り組む人の勇気や知恵を伝えています。
私たち大人は、子どもたちに何を語り、伝えるのか・・・私たちの創造性と見識が問われるのです。