廃棄される野菜

保育園の屋上ファームの野菜が順調に育っています。目立たないですが、じゃがいもの花はよく見ると美しいですね。ミニトマトも小さな実をつけ始めました。インゲン豆は、種を植えて5日目には芽が出て、ぐんぐん成長しています。

 

保育園の野菜は、給食に使いますが、ほとんどが各家庭へのお土産です。先日も、野菜が苦手な男の子の家庭で、ママ曰く「絶対に食べないだろう」と思っていた絹さやエンドウをシンプルに茹でて出すと、マヨネーズをかけてバクバク食べたそうです。

 

子どもたちが、自分で種を蒔き、収穫した野菜の魅力をあらためて感じます。そして、保育園のファームで収穫した野菜は、廃棄ゼロです。

 

東京都足立区のある農家は、約15年前から、給食向けの野菜を化学肥料を使わない葉物野菜やナスを、区内の小中学校約50校に納品しています。経営という観点でみると、学校給食の契約を確保することで、安定した収入が得られるはずなのに、まさか、3カ月も休校が続くことなど考えもしなかったでしょう。

 

3月には、約1.5トンの野菜を廃棄し、4月には、約1トンを廃棄したそうです。もちろん、様々な販売先を模索したようですが、この短い期間で、給食ルートを確立した農家にとっては、これだけの廃棄を避けることができなかったのです。

 

感染拡大後、廃棄寸前の食品の買い手を探すインターネット掲示板に、悲痛なメッセージが連なります。「助けてください」「食べ物を捨てたくない」など。テレビなどでは、高級食材をお手軽にしたパック販売が即完売のような報道がされていますが、「利益なしの特別価格で販売します」とサイトに書き込んでも引き合いのないことが多いのが実態のようです。

 

保育園のファームの野菜を眺めながら、コロナウイルスをきっかけに、「食品ロス」の問題への関心が高まり、廃棄される食品が減ることを願いたいものです。

 

新しい生活様式の1つは、「食品ロスを出さない生活」ですね。