9月の入学・始業「ちょっと待った!」

ちまたでは、学校の入学、始業を9月にするという世論が高まっています。「ちょっと待った!もっと冷静に!」と言いたいですね。これは、学校だけの問題ではなく、日本の社会全体の仕組みを変えなければならない大改革です。

 

現在の年長・小6・中3・高3は、来年8月末までそのまま保育園・幼稚園・学校にとどまることになります。受験を1月2月ではなく、来年5月6月に変更しなければなりません。企業の新入社員受け入れも、9月になります。少し考えただけでも、この短い期間で「総理の決断が必要」とあおって決めることではありません。ましてや、コロナ騒動のどさくさで議論する内容でもありません。

 

この大改革には、内閣だけでなく幅広い組織のメンバーをそろえたプロジェクトを組んで、様々な問題点とその改善策を詰めないといけません。最低でも1年は議論をする必要があります。9月にスタートをするなら、これだけの時間が必要なのは、少し考えれば、分かりますね。

 

9月始業で、学力の地域格差が解消されるというのが、今回の理由の一つですが、休校中の児童、生徒の中で、ネットでの学習が順調に進んでいるごく一部の子どもたち以外は、普通に開校している地域との格差が9月スタートで取り戻せるというのは、根拠に乏しいですね。

 

また、世界の先進国では、9月スタートが当たり前だから足並みを揃えた方がいいからとか、日本も明治時代は9月が始業だったので・・・などという理論は、この問題の本質ではありません。

 

海外からの留学生を受け入れやすくなるという考えがありますが、その前に、日本の社会を根本から改革するに値するプラス内容が、どれだけあるか・・・具体的にピックアップしなければなりません。

 

国民へは、「○○のメリットがあります」ただし、これを実行するには「○○を改善したり、○○の問題が発生します」を明確に示して、冷静に、やるべきか否かを判断しないといけません。

 

冷静さを欠いた、勢いだけの「私は賛成!」「私は反対!」は、いけません。