今日は、保育園で飼い始めた「ニホンヤモリ」のエサを屋上で探しました。ヤモリは生きたエサしか食べません。クモ・ダンゴムシ・てんとう虫の幼虫・なんだかわからないムシなどをたくさん見つけました。子どもたちが、観察していると、生き餌を食べている様子はないのですが、ヤモリは夜行性です。きっと、夜に活動するのでしょう。
さて、訃報が届きました。大林宣彦監督が、82歳で亡くなりました。私の大好きな監督の一人です。大林監督と言えば、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾道3部作が有名ですが、その中でも、わたしは、当時「さびしんぼう」に魅せられた若者の一人でした。
大林監督が、若い頃に、いつかショパンのピアノ曲のような映画を作りたいと言っていたのですが、この「さびしんぼう」では、ショパンの「別れの曲」が何度も流れます。
もともと、CM監督でデビューした大林監督は、チャールズブロンソンを起用した「マンダム」や、ラッタッタのかけ声で話題を呼んだ「ホンダ・ロードパル」のソフィアローレンなど、ハリウッドスターを起用したCMで脚光を浴びます。
そして、映画監督としてスタートします。「さびしんぼう」は、あの黒澤明監督が、「これはいい映画だ!」と気に入り、大林監督は、黒澤明からCM演出を指名されます。そして、CMに出演した黒澤明に、初めてサングラスを外させたのが、大林監督というのは有名な話です。
黒澤明を魅了した「さびしんぼう」の舞台は、広島県尾道市です。私も、何度か足をはこびましたが、海があって、坂道が多くて、なぜか「なつかしい場所」です。自分の故郷でもないのに、故郷のようで・・この尾道という場所が、「さびしんぼう」をさらに、哀愁あふれる、切ない物語にしています。
「お~い さびしんぼう」と声をかけると、富田靖子さん演じる主人公の「さびしんぼう」が答えます。
「恋することは、とってもさびしいから・・・だからアタシはさびしんぼう。でも、さびしくなんかない人よりアタシはずっと幸せよ」
今思えば、とても恥ずかしいセリフですね。しかし、20歳の私には、胸に刺さるセリフだったのです。「さびしんぼう」という言葉は、大林監督が作った造語です。監督の口調は、本当にソフトで、イライラしている時でも、その声を聞くと、落ち着くのです。とても不思議な魅力です。
もう、大林監督が語るシーンを生では見ることができませんが、今夜は、「さびしんぼう」でも観ながら、大林監督の供養をすることにします。心より、ご冥福をお祈りいたします。