「島耕作」を教材に道徳の授業

今日から、卒園式の練習がスタートしました。「卒園児入場」から始まって、卒園証書授与などの一連の動きを練習します。卒園式まで3週間を切りました。少しずつ、寂しい思いと「頑張れ!」のエールが大きくなっていくのでしょう。

 

さて、今日は、「島耕作」の舞台に招待します。

 

ここは、通勤時の満員電車。主人公の島耕作の近くには、息を切らせたおばあさんが立っていました。島は座っているサラリーマンに席を譲るよう声を掛けるものの、サラリーマンは「自分は2時間しか寝ていない」と言って、立とうとはしません。

 

サラリーマンにお節介だと言われた島は、おばあさんを座らせようと意地になります。口論が過熱する中、別の男性がおばあさんに席を譲ってその場を収めるというスト―リーです。

 

実は、これはある中学校での「道徳の授業」です。島耕作とサラリーマン役は、口論となるので教員が担当し、その他の登場人物を生徒が演じます。

 

そして、生徒には、それぞれの登場人物の気持ちを考えさせます。すると、ある生徒は、周囲の人々がサラリーマンだけでなく、島のことも「うるさい」と思っていること、おばあさんもこの状況で座りづらくなり「疲れた」と感じているのでは?と意見します。

 

生徒たちの議論が進む中で、「正しいことをしようとした島が、自分の主張ばかりでおばあさんや周囲のことを考えられなくなり、その場で孤立してしまった」という考えにたどり着きます。

 

そして、この授業の本題である「島がサラリーマンにどのような声を掛ければ説得できたか?」を生徒たちに考えさせます。

 

なんだか、楽しそうな授業ですね。これも、答が一つではありませんね。○○が正解で、△△が間違いとも、一概には言えません。道徳の授業は、「こうすればいい」という模範解答を見つけることではなく、子どもたちが自分で考えることが大切なのです。