ヤマアラシのジレンマ

今日は、子どもが、友だちとの人間関係やコミュニケーション能力を作り上げるには、子ども自身が経験して身につけなければいけない・・・という話です。

 

「寒い寒い冬の朝、2匹のヤマアラシがいました。寒くて孤独で一人ぼっちでいるのは耐えられない。そうしたときには、ごく自然に近づき体を寄せ合います。そして、相手の暖かさを自分で取り入れたり、そして自分の暖かさを相手に与えたりします。

 

ところがヤマアラシの体には鋭いトゲがあります。そのため、近づき過ぎると、相手のトゲが自分を刺して痛いのです。見たら、相手も痛がっています。ああ、そんなに近づいたら痛いぞと思って離れます。

 

離れると確かにもう痛みはありませんが、寂しくなります。寒くなります。孤独です。だからまたそろそろと近づきます。そしてまた、あんまり無謀な近づき方をすると、自分が苦しくなってきて、また離れます・・・」

 

これは、ヤマアラシのジレンマという話で、ヤマアラシは、こうして、くっついたり離れたりして、適度な距離感を保ったということです。

 

子どもたちにこの距離感を教えることは難しいですね。「ちょうどいい距離感をつかんでいく」ことは、子どもたちが自分で経験して身につけるものです。そして、私たち大人は、少し我慢して口を出さずに温かく見守っていきたいですね。