私が社会人になって間もない頃、営業の仕事をしていたのですが、売上をアップさせるために、よく使ったのが、「賢い消費者」という言葉です。
商品を出せば売れる時代は終わった。「賢い消費者」に対応する商品や売り方を考えないといけない・・・といった感じです。モノだけではなく、コトを提案することもしました。つまり、この商品を買ってくださいだけではなく、この商品を使うとあなたの生活がこう変わりますよ・・・というライフスタイルの提案です。
当時の「賢い消費者」は、自分のライフスタイルに合わせて、人と同じものではないこだわりが強い・・・というのが、一つのキーワードでした。
保育園ホワイトきゃんばすのあるショッピングセンターでの話です。実は、昨年の節分では、大量の恵方巻きのロスを発生させてしまいました。しかし、今年は、予約販売を強調し、当日の販売構成比を下げて、ロスをなくす方針をとったそうです。
結果は、ロスがゼロ・・・値引き販売もありません。そして、予約売上が好調で、恵方巻きの合計売上も前年クリアしたのです。廃棄ロスなしで売上前年クリアですから、利益は大幅アップですね。
もちろん、この結果は、店側の戦略がうまくいったと言えますが、それだけではありません。「賢い消費者」のおかげでもあるのです。
昨年の節分では、全国的に恵方巻きのロスが社会問題となりました。そこで、買う側のお客様も、今までのような買い物の仕方でいいのか・・・と思ったのです。そこで、予約で買って、店のロスが出ないようにしようと思った「賢い消費者」が出てきたのです。
そうです。平成から令和にかけての「賢い消費者」は、自分の購入満足度だけを考えるのではなく、「誰が作っているのか?」「どのようなルートでこの商品はできているのか?」「地球環境のためになっているのか?」などを考える消費者です。
途上国の安い賃金、子どもの労働によって、この低価格が実現できているのなら、フェアトレードをうたった商品を購入しよう・・・どうせ、すぐに食べてしまうので、日付が一番近い牛乳を買って店のロスが出ないようにしよう・・・こんな事を考える消費者が増えてきているのです。
24時間営業していて便利なコンビニに対しても、自分たちの買い物のやり方を変えれば、別に24時間でなくてもいいのでは・・・とも考えるようになってきています。
私たちは、日々買い物をする消費者でもありますが、「賢い消費者」として、自分のモノサシを持つことは、重要なことかもしれませんね。
あなたには、自分のモノサシ・・・ありますか?